前回注文した最安ラインの1000W短形波インバータが届いたので早速運用テストしてみました。
知能液晶とは。
開梱と細部チェック
簡素なダンボール外箱。Amazonのレビューで他の人が掲載していた化粧箱ではなくなったようです。
中身。本体は傷等なく綺麗な仕上がりです。細めのシガーソケットケーブル(200W以下用)とバッテリークリップワイヤーの二種類が付属します。
カタコトながら日本語のマニュアル付き。中身はAmazonの製品説明に書いてある事と一緒。英語マニュアルにはspecificationsの記載あり。DC入力は10V-15Vでそれ以外ではカットオフ&アラームとなるようです。
アウトレット側パネル。レビューにあったUSBコネクタの位置不良等はなく綺麗な仕上げです。
インレット側パネルにバッテリークリップケーブルをつけてみました。ターミナルはしっかりと接続できるパーツを使っています。ケーブルは被覆のわりに芯線はあまり太くなさそう。耐圧等も記載なし。
端子のスリーブから芯線を見てみました。無くはないけどそれほど多くもない。
このケーブルとほぼ一緒。
外国のレビューワが
Don’t think this is 50 amp cable?
なんて書いてます。つまりはそういう事です。それ以前にこれから1000W使ったら83A流れるんだが大丈夫か。
決死隊を募る
インバータのレビューを読み歩くと「燃えた」「焦げた」「車がイカれた」「電化製品がダメになった」等ありとあらゆるトラブルが見つけられます。そこで今回はまず「我が家の壊れていいもの」からテストすることにしました。
というわけで決死隊の面々を紹介します。
左から
- USB充電器 5V1.2A + SONY Xperia Z ultra
- 110W ACアダプタ + Intel DQ67EP & i5-2500T Mini ITX PC
- 1200Wドライヤー Panasonic MouseBlow
1.は最低限の負荷として。ズルトラさんはタッチパネルがおかしくて誤動作しまくりなので抜擢しました。
2.はLEGION Y520を壊したくないのでこの時作って組みっぱなしだったミニデスクトップPCを抜擢。PicoPSUという150W電源基板に110Wのアダプタの組み合わせ。
3.は95年製の我が家の旧ドライヤー。退役してましたが壊れてないので抜擢。
まあ一番の決死隊は愛車であるRX-8なんですけどね。
運用試験開始
エンジンをかけ、恐る恐るインバータを接続、スイッチON。
無事動いた。エンジンの回転数に乱れはなし。
液晶表示により入力はDC14.2V、出力はAC127V。微動だにしません。
出力電圧について、短形波は表示と実効出力に差があるそうなのであまり気にしないことにします。
1.充電器+携帯充電
負荷1.を接続しました。
若干AC側が下がりましたがLoad BARの表示なく充電が開始されました。6Wなので小手調べということか・・・!
クーリングファンは常時フル回転しています。エンジン音で聞き取りにくいけど甲高い音がするので室内設置は厳しいか。
2.ACアダプタPC
負荷2.を接続しました。このあたりから緊張が高まります。
これも無事動作。コールドブートのためCPUファンは動いていませんが、HDDのアクセスLEDが明滅し、OS起動までいったようです。
1.+2.
PCが安定したので一緒に1.も接続しました。表示に変化なく無事動作。
USB ACアダプタを外し、直接本体のUSB充電ポートに接続。
2口とも問題なく充電できます。
3.ドライヤー
ここから動きが変化。
ドライヤーを冷風(ワットチェッカーで37W)にすると出力電圧が少し下降。その後弱い熱風(497W)にすると一瞬エンジン音が乱れたのち、OUTPUT表示がぐるぐる動き出しました。だいたい80V-120Vの間くらいを。
LOADバーが3/5まで伸び、数字は怪しいけどドライヤーは動きました。
さらにMAXの1200Wを試してどんなエラーが起きるか試せばベストでしたがチキった・・・
この実験をしているあたりからバッテリークリップケーブル、インバーター本体が熱を持ち始めます。
Mission abort !!
そして目的かつ問題の灯油ボイラー。延長ケーブルで家の中から引き回し接続。
ONにした瞬間はボイラー(700W)は普通に予熱を始めます。しかし車に戻ってみると液晶表示のOUTPUTがさらに激しく変動。ENERGYバーが2コマへに下がりLOADバーは最大の5/5へ。INPUTは動作ギリギリの10.5Vまで下がってます。
さらに1分ほど見ていると、+のバッテリークリップから発煙。慌ててインバータの電源を切り実験停止。
見てみるとクリップの赤いビニール被覆が少し溶け、金属部が浮き出る形になっていました。
試験をふりかえって
結果として灯油ボイラーは2種類とも同じ結果となり利用できませんでした。
製品情報にある
■消費電力が範囲内でも使用できない電気製品
・電子コントロールを利用している機器。
に従うとすれば、内部に基盤のあるような製品はすべてダメとも言えます。
しかしダメな機器だったとしても
・出力過負荷保護回路
接続した機器の要求する出力が、本製品の最大出力を超えた場合、出力をカットします。
・高温保護回路
本体内部の温度が一定の温度まで達した場合、出力をカットします。
が働かずケーブルが溶けかける事に一抹の不安を覚えます。果たしてこれを使い続けていいものなのか。
バッテリークリップケーブルを交換した結果、うまく動くかもしれないし、さらに重大な焼損をするかもしれません。目に見える所が溶けて使用を停止する、一種のフェイルセーフだったのかも?
この疑念を払うには3~5万円クラスの一流製品を買うしかありません。しかし非常時のみの備えなら別の手段を講じたほうが正しい投資に思えます。
このインバータはバッテリークリップケーブルだけを交換して、ノートPC用電源にしよう。
1000W使かうには、配線が細すぎます。最低でも22SQの配線を用意してください。
まったくもって細すぎますね。
本体も怪しいけれど、ケーブル的にも製品規格まで出力できない製品でした。
クリップでの接続では、バッテリーターミナルとの接触面積が小さすぎて溶けるほど発熱。またはクリップと電線の圧着部分が甘くて発熱したのかもしれません。
電線は圧着端子でバッテリー端子と接続することで、電線の断面積以上の接触面積を得ることと、当然今よりスケア数の大きい電線を使いたいですね!
口出し線というMLFCが、同断面積のKIVに比べ許容温度や許容電流多めでオススメです。絶縁体がゴムで強いです。周囲温度高いエンジンルームでは特に…
コメントありがとうございます。
実験の後自分もっと太いケーブルを作ったんですが、まだ容量不足かもしれませんね。
ケーブルを変えてこのインバータが使えるようになるのなら、
MLFC (WL-1) 22SQあたりの入手を考えてみます!