30inchオーバーのウルトラワイドディスプレイを一気比較(2016年春)

30inchオーバーのウルトラワイドディスプレイを一気比較(2016年春)

年頭の挨拶にも書いたとおり「今年はディスプレイとグラボを入れ替えて4K環境へ移行したい」という目標を掲げました。しかしグラボはHBM搭載のRADEONが自分の主要な使い方では十分な効果を得られない事が分かったため、今のところはNVIDIAの次期GeForce(Pascal?)を待つのみ。そこからさらに自分の狙うミドルハイクラスとなると出そろうのは2016年末位になるんじゃないかと予想しています。それを待って画面もグラボも一気に、となると金銭的ハードルがグッと上がり実現不可能になるかも。

その結果「液晶ディスプレイだけは先に買っておいたほうがいいのではないか?」というまこと都合のいい論理がここに完成したわけです。

2016/08/09 追記

無事にウルトラワイドディスプレイを購入しました!
こちらのレビューも合わせてどうぞ

今のディスプレイ

とりあえず現状のディスプレイ、DELL 3008WFPの仕様確認。

パネル30inch 16:10 WQXGA(2560×1600)
コントラスト3,000;1
輝度370cd/m2
応答時間
8ミリ秒(GTG)
表示領域サイズ641.28mm x 400.8mm
消費電力実測100W(安定時)

現行製品と比べてコントラスト3,000;1、輝度370cd/m2というのはかなり鮮やかなパネルという事が分かります。画質もTrueColor(117%色域)でまったく文句なし。ただ問題は100Wの消費電力とそこから発せられる猛烈な熱(夏は室温に大きな影響が出るほど)です。

最近の大画面液晶トレンド

最近のトレンドを見ると、売れ筋は24インチワイドから27インチワイドへシフトしました。
そしてまだ早熟ではあるものの、オーバー30インチも

  • 16:9の画質重視4K UHDディスプレイ
  • IPSパネル使用の21:9のウルトラワイドモニタ(3440x1440px)
  • VAパネル使用の21:9のゲーミングウルトラワイドUW-UXGA (2560×1080px)

と大きく3つのグレードが出揃いました。

中でも2560×1080pxは解像度を上げずにワイド&大画面を狙う昨年辺りから増え始めたグレード。ゲームに限って言えば綺麗と重さは比例するため高解像度は必ずしもいい事とは言えません。そこで敢えて解像度を抑える事でfpsを維持しやすくする狙いがあります。またゲームに特化し垂直リフレッシュレートを200MHzにオーバークロック(?)した製品もあり、応答時間も通常の4KIPSよりも高速な事も特徴。

ちなみに単純に画素数に比例してグラボの負荷が上がると仮定した場合、ディスプレイによってどれくらいグラボ負荷が増えるかを表にしました(現在主流のFullHDを1として)

解像度アスペクト比画素数比率
Full HD1920×108016:92,073,6001
ゲーミングウルトラワイド2560×108021:92,764,8001.33
WQXGA(3008WFP)2560×160016:104,096,0001.97
ウルトラワイド3440×144021:94,953,6002.38
4K UHD3840×216016:98,294,4004

表にしてみると4K UHDが圧倒的に画素数が多いことがわかります。これがこのまま負荷になるのであれば現状からは2倍、ウルトラワイドと較べても1.78倍重いという事になるでしょう。対してゲーミングウルトラワイドであれば、FullHDからなら1.3倍ほどの負荷で大画面&ワイドな環境を作る事ができます。

現状のWQXGAでヒーヒーいってる670GTXのままだと4K環境ではしばらく我慢することさえ苦痛かもしれない・・・

狙うはウルトラワイド

“4Kディスプレイ”という響きは大変魅力的ではあるけれどゲームも重視したい。あと大事な点として「今のディスプレイより(表示面積が)小さくなるのはいやだ。」その辺りをチェックしつつ、購入候補のスペックを調べました。

DELL U3415

DELLのゲーム・エンターテイメント向け34インチ曲面ウルトラワイドモニタ – U3415W

Dell ディスプレイ 曲面 モニター U3415W 34インチ/UWQHD(21:9)/IPS非光沢/5ms/HDMIx2,DPx2(MST)/sRGB99%/USBハブ/フレームレス/3年間保証

パネル34inch IPS 3,440 x 1,440
コントラスト1,000;1
輝度300cd/m2
応答時間
8ミリ秒(GTG)通常モード
5ミリ秒(GTG)FASTモード
表示領域サイズ798.20mm(31.43インチ)
x 334.80mm(13.18インチ)
消費電力55W(標準)/130W(最大)

曲面パネル使用。他社ほどゲーム向けを強調しているわけでもなく、USBアップストリーム(K/B,マウスの共有)やパネルドット抜け保証などビジネスにも向けた紹介がされている製品。未表示部分を含むベゼルの幅はおそらく13.25mm前後の狭額フレーム。

BenQ XR3501

垂直リフレッシュレート144Hzを謳いゲーム向けを強調するXR3501 | BenQ Japan

BenQ Gamingモニター (35インチ/144Hz/湾曲パネル) XR3501

パネル35inch AMVA+ 2560 x 1080
コントラスト2000:1
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 4ms
表示領域サイズ819.84 mm x 345.87 mm
消費電力51 W(標準)/66 W(最大)

VAを改良したとされる広視野角と高コントラストに優れたAMVA+パネルを使った製品。144MHzの他、暗部の表示を調節できるBlack eQualizerやフリッカーフリー機能、ブルーライト低減モードがあるとしています。

Acer X34bmiphz

Aderのゲーミングブランド”Predator”のIPS採用34inchモデル、X34bmiphz | Acer

Acer ディスプレイ ゲーミング モニター X34bmiphz 34インチ湾曲/QHD解像度/IPS/4ms/G-Syncテクノロジー搭載/HDMI・Display port/Gaming

パネル34inch IPS 3440 x 1440
コントラスト純スペック表記なし
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 4ms
表示領域サイズ対角86.4 cm
消費電力54 W

ティアリングを抑えるNVIDIAのG-SYNCに対応し、IPSパネルとしては高い100MHz動作の製品。sRGB 色域表示を100%カバーし、DTS認定のスピーカーを内蔵します。

Acer XR341CKbmijpphz

こちらは動画・静止画の表示に向けたXR341CKbmijpphz | Acer

Acer ゲーミング モニター ディスプレイ XR341CKbmijpphz 34インチ/IPS液晶/3440x1440/4ms/Free Sync/HDMI 2.0端子付

 

パネル34inch IPS 3440 x 1440
コントラスト純スペック表記なし
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 4ms
表示領域サイズ対角86.4 cm
消費電力42.50 W

Amazonの写真ではこっちがゲーム向けみたいに見える・・・。パネルはおそらくX34と同じもの(スタンドも同型)ですが、こちらはG-SyncではなくVESAが策定したAdaptive-Sync対応。AMDグラボと組み合わせるならこちらかもしれません。

Acer Z35bmiphz

AcerのトップグレードゲーミングディスプレイZ35bmiphz | ?Acer

Acer ディスプレイ ゲーミング モニター Z35bmiphz 35インチ湾曲/Ultra Wide FHD解像度/4ms/G-Syncテクノロジー搭載/HDMI・Display port/Gaming

 

パネル35inch VA 2560 x 1080
コントラスト純スペック表記なし
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 4ms
表示領域サイズ対角88.9 cm
消費電力52 W

X34より大画面でありながら低解像度というのが面白い。同じくG-SYNC対応ですが、垂直リフレッシュレートは200MHzとかなり高速。スタンドが専用デザインになりドロップライトがつくのと、NVIDIA ULMB(Ultra Low Motion Blur)に対応しているのも異なる部分です。

ASUS ROG SWIFT PG348Q

ASUSのゲーミングブランド、ROGのハイエンドディスプレイROG SWIFT PG348Q | ASUS

ASUS Gaming モニター 34型 ウルトラワイドディスプレイ ROG SWIFT ( フリッカフリー / 応答速度5ms / 3440×1440 / IPSパネル / GSYNC / Displayport × 1, HDMI × 1 / 3年保証 ) PG348Q

 

パネル34inch IPS 3,440×1,440
コントラスト1000:1
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 5ms
表示領域サイズ公開なし
消費電力最大100W以下

スペック的にはAcer X34とほぼ一緒(100MHz動作,sRGB100%)ながら特徴的背面&スタンドデザインでかなり高価なディスプレイになっています。画面上にハード描画されるドットサイトやタイマー機能がゲーミングデバイスとして一捻りきいた所でしょうか。リフレッシュレートを瞬時に切り替えるハードウェアボタンもあります。

LG 34UM68-P

LGはパネル供給元だけあって「30inchオーバーのウルトラワイド」というだけで現在6機種もWeb上に掲載されています。その中からゲーム向け2560×1080で最新となるのが34UM68-P | LGエレクトロニクス・ジャパン

LG 34UM68-P IPSディスプレイ 34インチ/Gaming Ultra Wide/AH-IPS非光沢/2560×1080/HDMI

 

パネル34inch IPS(AH-IPS)2560×1080
コントラスト1000:1
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 5ms
表示領域サイズ799×335(mm)
消費電力43W(最大53W)

曲面ではないフラットパネルでIPS 2560×1080というのは他社にはないモデル。価格も7万円を切っており、大画面ウルトラワイドでも手の届きやすい商品となってます。ティアリング防止機能はAMDのFreeSyncに対応しており、下位モデルとして非対応の34UM58-Pもあります。68と58は現在約2万円の差があるため、安いウルトラワイドを探している場合は34UM58-Pも候補に上がりそうです。
フリッカーフリー、ブルーライト低減などの一通りの機能を備えるほかは特に目新しいウリもなく、垂直リフレッシュレートは75MHzと一般的です。

LG 34UC88-B

こちは3,440×1,440の曲面パネルを使用した34UC88-B | LGエレクトロニクス・ジャパン

LG 34UC88-B IPSディスプレイ 34インチ/曲面 Ultra Wide/AH-IPS非光沢/3440×1440/HDMI

 

パネル34inch IPS(AH-IPS)3,440×1,440
コントラスト1000:1
輝度300cd/m2
応答時間
GTG 5ms
表示領域サイズ800×335(mm)
消費電力56.7W(最大65W)

パネルが3,440×1,440になった以外は34UM68-Pと機能はほぼ一緒。同じ仕様でフラットパネルを使用した34UM88C-Pもラインナップされています。垂直リフレッシュレートは61MHzとUM68より低めのクリエイター向けディスプレイ。USB3.0のアップストリームポートがついており、ハブ&高速充電器としても使えます。

さらに上位機種としてThunderbolt2を搭載したLG 34UC97-Sも発売から1年以上経過し手がとどく範囲まで下落しています。

2016/10/14追記:LG 34UC79G-B

LGの新作ゲーミングウルトラワイドディスプレイ34UC79G-Bがもうすぐ発売。

LG 34UC79G-B ゲーミング ディスプレイ モニター 34インチ/21:9 曲面 Ultra Wide/IPS 非光沢/144Hz/DisplayPort×1,HDMI×2

パネル34inch IPS 2560 x 1080
コントラスト1000:1
輝度250cd/m2
応答時間
GTG 5ms
表示領域サイズ799×335mm
消費電力45W(最大49W)

FreeSyncに対応し、IPS初の2560*1080 曲面34インチ 144MHz対応を謳います。ウルトラワイドディスプレイとして最安グループにもかかわらず、IPSパネルということでVAに眉をひそめるオールドユーザにも響く製品だと思います。スタンドの調整機能も一通り揃える他、背面はゲーミングらしい飾ったデザインのようですよ。

iiyama ProLite XUB3490WQSU

国産iiyamaのフラットな3,440×1,440 IPSパネルを使用したiiyama ProLite XUB3490WQSU

iiyama ディスプレイ モニター XUB3490WQSU-B1 34インチ/Ultra-Wide QHD(3440x1440)/AH-IPS/スリムベゼル/HDMI端子付

 

パネル34inch IPS(AH-IPS)3,440×1,440
コントラスト1000:1
輝度320cd/m2
応答時間
GTG 5ms
表示領域サイズ水平:799.8mm×垂直:334.8mm
消費電力48W(最大110W)

 

次回、4Kと考察

書いていたら長くなったのでここで一区切りにします。次回は4K UHDディスプレイのチェックをしつつ、いよいよ「購入?我慢?」を含めて比較検討をやってみる予定。

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