札幌のラジオ局を舞台にしたコミック「波よ聞いてくれ」が面白い

札幌のラジオ局を舞台にしたコミック「波よ聞いてくれ」が面白い

無限の住人の後半あたりから読み始め、それ以来単行本をチェックしている沙村広明先生。5月に発売された新作の「波よ聞いてくれ」もこれがまた面白い。ベアゲルターの様にアンダーグラウンドな世界と戦いの作品かと思ったら題材は意外にもラジオ局。タイトルの波って海が題材なのかと思ったら電波の事だったんですね。

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それだけなら内心の「いいね!」だけで終わる話ですが、ブログに書こうと思ったのは舞台が札幌でしかも藻岩山にあるラジオ局という具体的設定。

ストーリーはすすきののスープカレー屋に勤める主人公・鼓田ミナレが逃げられた男の話を偶然バルで出会った藻岩山ラジオのプロデューサー、麻藤に酔った勢いでぶちまける所から始まります。
実は麻藤がこの時の会話を録音しており、番組のネタとして放送。職場のカレー屋で自分の声を聞いたミナレは職場から飛び出し藻岩山ラジオに殴り込み。そこでも麻藤の作戦に嵌ったミナレは急遽1分間自分がラジオで喋ることになり…というお話。

画像は撮影していいのかわからないので引用で。

沙村広明の「春風のスネグラチカ」はまあまあ。アフタヌーン新連載の「波よ聞いてくれ」が底抜けに良かったからな!

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なんだこの話。こういう漫画をぽいっと載せてくるあたりがアフタヌーンの凄みです

カレー屋の名前がVOYAGER(ヴォイジュを連想)だったり、裏参道あたりの祭りの話とか(この前やってたね)、中村記念病院にセコマのお惣菜話まであって実は沙村先生札幌在住なんじゃないですか?という道民感。実際は東京都民だそうで、取材すればこの位描けてしまう訳ですが、余りにも描かれている日常に違和感がないのでスッと身の回りの事として入って来るわけですよ(豊平区役所前で事故った!とかね)

あとはヒゲの親父のうさんくささとか、陰のある女性の描写とか、フキダシの外にある細かなツッコミとかいつもの沙村ワールドの楽しさも健在。ラジオ関係者でなくとも札幌でなくとも円山の事「チッ」とか思ってなくても楽しい作品を皆さんもご覧あれ。

個人的に僕だけがいない街といい、最近北海道を舞台にしたコミックが台頭してきているのはなんだか嬉しく思っています。

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ブルータス、おまえもなの??

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