「ゲーム画面をみんなに公開したい!」となったとき、手っ取り早いのは以前書いたGeForce Experience+Youtubeの組み合わせだと思います。
この方法はお手軽な反面、配信の開始から公開までにラグがあったり、GeForce Experienceの出来る事に制限があったりと不便な点もありました。今回は一歩踏み込んで専用の配信ソフトOBS Studioを使い、Discordと親和性の高いTwitchに配信してみます。
DiscordとTwitch
Discordはゲームに特化したSNS/メッセージングサービス。自分をとりまくゲームコミュニティはLINEではなく、Discordをベースとして形成されています。プレイ中のテキスト/VCはもちろん、オフラインのトークまでDiscord。仮想の自分への窓口とも言えます。
そのDiscordが動画配信サービスとして正式に連携しているのがTwitch。こちらもゲームの配信に特化した動画ストリーミングサービスです。
DiscordとTwitchを連携しておくことで、配信を開始した際にDiscordでも「配信中!」と表示されます。フレンドはそれをクリックするだけで、簡単にプレイ画面をチェック出来るようになりました。
Youtubeだと自分で動画URLをコピペしてディスコに貼り付けなきゃいけないし、そのURLが見えるまで時間もかかる。結構面倒だったんですよね。
OBS StudioでTwitchに投げる
Discord<>Twitchの連携はDiscord内の設定>接続を開いてTwitchを有効化するだけです。
なのであとはTwitchに動画を配信するソフト「OBS Studio」について簡単に設定を紹介。OBSはOpen Broadcaster Softwareの略だそうな。
1.ダウンロードとセットアップ
公式サイトからOBS-Studio-21.1.2-Full-Installer.exeをダウンロードしてきました。
画面に従ってセットアップ、起動したところが以下。
64bitバージョンでも問題なく動きます。
2.セットアップ
自動セットアップでベンチマークなどしてくれますが、結局「設定」からいじりました。
一般 – 出力
- 配信を開始するときに確認ダイアログを表示する
- 配信時に自動的に録画
上記にチェックを追加。あとはデフォルト
配信
- 配信種別:ストリーミングサービス
- サービス:Twitch
- ストリームキー:各自
ストリームキーは他人には絶対教えちゃいけないTwitchの入力先アドレス。2018/05/19現在はTwitchのダッシュボード>チャンネル>配信キーのリンクから取得できます。
見つけたらそのまま上のストリームキーへ貼り付けます。
出力
配信設定はベンチマークの結果自動設定されるようですが、自分以下になっています
- 映像ビットレート:6000
- エンコーダ:ハードウェア(NVENC)
- 音声ビットレート:160
録画設定は自分で変更しました。mp4にしておかないとYoutubeなどへの転用が面倒くさいため。
- 録画ファイルのパス:任意に変更
- 録画品質:高画質、ファイルサイズ中
- 録画フォーマット:mp4
- エンコーダ:ハードウェア(NVENC)
録画品質はとりあえず中ですが、あとから見る限り十分に綺麗です。
映像
- 基本(キャンバス)解像度:3440×1440
- 出力(スケーリング)解像度:2580x1080
ウルトラワイドモニタの解像度そのままで配信することができます。ビットレートの兼ね合いで出力を小さくすることもできますが、アスペクト比は維持されます。普通のFullHDの人が観ると上下黒帯になってしまうのが悲しい。
ホットキーはご自由に。
配信開始
設定ができたら配信をしてみます。
1.シーン追加
左下の「シーン」にある+を押してシーンを追加。ゲームタイトルごとに作っておけば個別に設定を持てるようになります。
今回も”ブレイドアンドソウル“を配信してみます。
2.ソースを追加
その右「ソース」にある+を押して「ウィンドウキャプチャ」を選択
「新規作成」に●がついたままOKを押します。
するとプロパティが開いて現在実行中のプログラムを選べるようになります。
ブレソの場合は「[Client.exe] ブレイドアンドソウル」ですが「[Client.exe] 不明」と出る場合もあったので、画面を見ながら選びましょう。本当GameGuardは行儀悪い・・・。
4.プレビュー
うまく選択できればOBSのメイン画面にゲーム画面が表示されます。プレビューの周りの赤枠は配信領域を表しており、自由に範囲を狭めてクロッピングすることも出来ます。便利ですね。
ウィンドウ下部にはボリューム調整。ピークが黄緑と黄色ゲージの中間あたりで落ち着くように調整しておきます。
5.オーバーレイでチャット欄をマスクする
ここでもう一つ。
チャット欄まで配信してしまうと色々都合が悪いこともあります。そこでここに画像を被せ、配信時には隠れるようにします。
ソースで再び+を押して今度は「画像」を選択。
目隠しになる画像を用意して参照します。
今回は見せられないon! – ニコニ・コモンズを使わせていただきました。onちゃん!!
プレビューに表示された目隠し画像を移動、拡大縮小してチャット欄に被せます。ちょっと漏れてるけどキニシナイ(・3・
5.配信開始!
ここまできたら後は右下の「配信開始」を押すだけ。
配信に合わせて、録画ファイルのパスに同じものが保存されます。
Discordに配信が表示される
うまくいけば、自分のDiscordアカウントに配信を知らせるタイトルがつきます。
クリックするとそのまま配信を視聴可能。
PC版では別ブラウザが開きますが、iOS版ではそのまま再生ができました。ラクラク。
Discord 2.3.1(無料)
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング, ゲーム
販売元: Discord, Inc. – Discord, Inc.(サイズ: 57.9 MB)
全てのバージョンの評価: (25,757件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応
Geforce ExperienceからOBS Studioに乗り換え
これでメンバーにいちいち「ここで配信してるよ!」とスマホでYoutubeのURLコピペしなくて済みます。
スマホでやっていたのは配信中のパソコンは気楽に他のアプリを開けなかったから。デスクトップ丸ごと配信が必要なブレソは、毎回一時停止しないとブラウザやDiscordの画面がダダ漏れになってしまいます。
その点OBS Studiはずっとゲームのウインドウだけを配信してくれるため、ついうっかりの誤配信を防ぎます。別のウィンドウがアクティブのときは、ゲームはバックグラウンド設定になりつつも配信され続けるわけです。
またカスタマイズも容易で豊富。GeForce Experienceではカスタムオーバーレイは決め打ちで画像を作成する必要があります。OBSなら実際の配信をプレビューしながらリアルタイムで調整可能。最近流行りの「自分のプレイする姿をライブで撮ってオーバーレイ」も出来るそうですよ。絶対やらないけど。
自分は今まであの処理をするには専用の配信装置が必要なものだと思っていました。
もうExperienceで使うのは後から録画(インスタントリプレイ)機能くらいですかね!
数少ないディメリットとしてはGeForceExperienceより配信時の負荷があり、若干フレームレートが下がることです。マルチコアCPUを使いましょう。