TPA1517NEを使ってAB級アンプを作る – その3

TPA1517NEを使ってAB級アンプを作る – その3

あっという間というかやっとというか、TPA1517NEアンプが完成しました。まだケースにも入れてないバラック状態ですが、今のメインアンプの座をTA2020から奪えるのか?

回路について

前回書いたように、これとほぼ一緒です。ただユニバーサル基板やコンデンサの大型化のためそのあたりは変更アリ。
今回はデザイン優先にしたら離れましたが、斜め4つの470uFはできる限り三端子レギュレータのIN-GND,OUT-GND間に近づけて配置するのがベター。パラで入る小容量のコンデンサ(C21~C24)もおそらく高周波域での特性改善の類なのでなるべくレギュレータに近づけた方がいいでしょう。自分はC5~C8の電解コンデンサにもパラで0.1uFの積セラをつけました。

C9~C12のみICのInput前に直接入るため音質に強く影響するようです。ココは前に書いたとおり盲信してる赤いWIMAを。

部品代の総合計はたぶん端子類を除いて2000円位。秋月でMUSEを安く買えたのが効いてます(普通オーディオ用の470uFは330円/個とかするので)。

ドキドキ通電

恐る恐る通電。異常発熱が無いかだけ触診(笑)。大丈夫そうなのでテスト用スピーカーをつなげて再度ON。意外にもPop音がほぼありません。出力がIC直だから??

電源はTA2020用トランス電源の制作 | 徒労日記で作ったトランス電源。11.9Vを入力すると7812を経由してTPA1517NEへは10.5Vが供給される様です。というかこの電源使う気なら回路の半分は要らなかった(‘A`)。まあお手軽なACアダプタでも動きますよっと。

少し鳴らしてみるとICが結構熱くなったので、PC用のチップセットヒートシンクを貼り付け。

 非接触温度計とワットチェッカーで測ってみます。

  • TPA1517NE表面:47℃(室温:29℃時)
  • コンデンサ温度:36℃(同上)
  • 消費電力:5W

コンデンサの温度が上昇するのはGNDラインからICの熱が廻ってきてるから。レギュレータも37℃くらいなので変換の熱はほとんど出てないみたい。ヒートシンクはつけていません。AB級で熱は高めでもD級のTA2020と消費電力は大差なくて一安心。もっと電源電圧を上げたら出力と共に発熱しそうですが、10.5Vでも家で鳴らすには十分な音量が出ます。

音質はいかに?

TA2020と比べて高音が素直に伸び、残響音など響きが良く聞こえます。そのためかボリュームを下げて聴いても音がくぐもらないと感じました。

ただしこれはTPA1517NEの優れている点、というよりは高音が出ないと言われてるTA2020との差が出ただけなんじゃないかと。実際低域~中域中心の曲を聴いてもハッとするほどの違いは自分は感じませんでしたし。
違いに気づいたのは何時も聴き比べするこのアルバム。

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Bosque Inmensoの冒頭、ハンドクラップ~スネアの余韻が澄んでいるといいますか、はっきり聞こえました。クラシックとかを多く聴く人には明らかな差があるかもしれません。

しかし手間暇(と1万円くらい)かけて作ったTA2020と、300円のICに1000円ちょっとの部品でできたTPA1517の差が分からないとは。自分の耳が繊細でない事は認めますが、友人仲間もTPA1517を高く評価しているそうだし、あながちTA2020≦TPA1517NEも間違ってないのかも?

こうなってくるとオーディオとはなんだか分からなくなってきます。すべてを犠牲にしてでも最良の音を求める!ワケではないのでこんな事もあるかとは思いますが。

こまけーこたぁいいんだよ!(AA略)お手軽に、気持ちよく聴けたらいーじゃん!
まったくもってその通り。

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