前回紹介したバッテリー内蔵Webカメラ。
何をそんなに見たかったのか。
水回りの排水に興味のある方だけどうぞ。
臭気対策が新たな問題へ
洗濯機に排水トラップを追加
この春、インバーター全自動洗濯機 NA-FA90H9 | Panasonicに買い替えました。
それに合わせ、排水ホースに排水トラップをつけました。
今まではポッカリとあいた排水口=下水パイプにホースをつぶして押し込んだだけ。
そこからくる臭いや音の問題がありました。
配管を共有するお風呂を流すと、空気が他所に噴き出す圧力=正圧がかかります。
結果、下水管の空気の一部はホースの隙間から洗面所に広がり、多くはホースを通って洗濯機に逆流して音を発していました。
新しい洗濯機にそんな臭いはつけたくない。
排水トラップは水で満たされたU字の経路を作ることで、下水管と居住空間を仕切ってくれる商品です。
予想外の問題発生
取り付けから数日後、お風呂が流れなくなっていた事に気が付きました。
全く流れないわけではなく、シャワーなど少しづつなら大丈夫。
洗面器からサバーーッと流すと排水口が詰まった様に溢れ、少しづつしか減りません。
これは一体??
もしやと思い、洗濯機のトラップを外すとスルスルと流れだしました。
試しに洗濯機の排水口にティッシュをかざします。
するとお風呂の水を流した時に下水パイプから空気が吹き出している事がわかりました。
先に書いた正圧というものを、こうして初めて知ったわけです。
通気弁を探す
この様な問題は実はありふれているらしく。
排水による配管の圧を逃す機構として「通気弁」というのを知りました。
ドルゴNews Vol.1 「排水の原理」と「通気弁の役割」とは|お役立ち情報|住宅機器販売部|森永エンジニアリング株式会
ドルゴ通気弁は設置場所や排水器具によって使い分けられるよう様々なシリーズがあります。適したものを設置して負圧による排水トラブルを解消します。
しかし負圧を緩和する製品がほとんど。正圧を緩和するものは非常に少ない。
やっぱり臭いを出す部品はデリケートなのか。それとも本来困る事が稀なのか。
数少ない正圧対応品はどれも大掛かりかつ高価。
配管を切断して取り付ける必要があるため、立ち上がるスペースも無い床下ではDIYは無理。
あれこれ考えた末、洗濯機の排水管に穴を開け、軒下に大気開放する事にしました。
臭いといってもトイレの臭いではないし、お風呂を流す時の排気量なら床下の換気で間に合うと予想します。
無いのでホムセンでDIY
大気開放とはいえ、穴を開けただけではそこから排水は漏れるし虫は入り放題。
そこで以下を満たす「蓋付き煙突型通気孔」をホムセンの材料で考えました。
- 正圧の空気だけを逃がす
- 洗濯機の排水が溢れない
- 通常時は閉じて虫の侵入を防ぐ
- 立ち上がれない床下でも自分で取り付け可能
- 低コストで購入、取り付けできる
イメージとしては洗濯機の排水管横に小さな穴をあけ、煙突のように空気だけが抜ける弁を作ります。
使ったのは”TS給水栓用エルボ(WL)”と”TSキャップ”、それを接続するための”G1/2並行ニップル”。
カメラで通気弁の動きを観察する
壮大な前置きですが、要はこの自作の通気弁の動きをカメラで見たかったわけです。
洗濯やお風呂の度に床下を開けて覗いていては大変です。
初代は失敗
これが床下の世界。
上が洗面所の床。真ん中が洗濯機の排水管。左に見えるのは給湯配管。
正圧がかかると、エルボの上に置いたキャップが浮いて空気が逃げます。
普段はキャップの自重で軽く蓋がされています。
キャップは超適当な針金ガイドにより、上下にしか動かないようになっています。
試しにお風呂の水を流すと、スムーズに流れるようになりました。
ヨシ!と思ったものの、洗濯機を流すとキャップから水が噴出・・・。
おそらく排水の勢いが強く、通気弁のルートを逆上るのだと思います。
これを知ることが出来た訳ですから、Webカメラは効果的だったと言えるでしょう。
問題を解決した二代目
今度は逆流しても溢れない高さまで煙突を伸ばすことにしました。
”TS給水栓用エルボ(WL)”を延長する”ユニオンソケット”です。
径が合わないため、シールテープを巻いた上でホットボンドで固定しました。
異様さ際立つ見た目ですが、今度は成功。
洗濯でも水があふれる事がなくなりました。
お風呂の水を流すと「カカカカッ」という音がしてキャップが上下する姿が確認できます。
無事に丸く収まって良かった。
排水のことなんて無関心であったため、原因の判断や手段の検討に結構時間を費やしています。
Webカメラが無ければ何度も床下に潜る必要がありました。
今度は本来の監視カメラとしての使い勝手を試してみようかな。