テレビの記事(古いテレビもDIYで壁掛けにしたら見違えるほどスマートに設置できた | 徒労日記)に少し載せましたが、LIXILのエコカラットという商品を使ってリビングの壁をDIYリメイクしました。
計画段階ではアレコレ考えましたが、終わってみれば疲れも吹っ飛ぶ出来栄え。その手順を紹介します。
エコカラットとは?
まずLIXIL | エコカラットとはなんぞや。
30cm四方のタイル状になっている、窯業ベースの壁面素材です。
素焼きのような石の手触りを活かした表面になっていて、
- 強力な調湿機能
- 消臭
- アレルゲンの吸着
など近年話題の珪藻土よりも優れた効果があるとされています。
また、30cm2のシートタイプのため、小さなタイル状にみえても素早く均一な施工が未経験者でも可能です。
以下はメーカーのサンプル。壁の茶色い壁面が全部エコカラット面。
使われているタイル
エコカラットプラス〈グラナス ルドラ〉
ECP-2515NET/LDR2N
ダークグレー
はじまりはエアコン
今回の作業はエアコンの取り替えに端を発しています。テレビもそう。
自分はこの「エアコン入替えプロジェクト(自称)」を全体を通して低価格・高品質・円滑に進めなくてはなりませんでした。
施工面で検討
取替前はこんな感じ。
エアコン購入前からかなり構想を練りました。
この低い位置についている旧エアコンとロスナイ換気扇を取り外し、新エアコンをより高い位置に取り付けるのが目指す理想のゴールです。穴は再利用できないため、きっと幾つかの大穴と壁紙の境界が残るでしょう。そこから塗装や壁紙貼り替えで戻すとなると、壁紙剥がし、パテ埋め、塗装などかなり手間がかかりそう。自分でやると時間か仕上がりか、どちらかが犠牲になるかもしれません。
またタイミングも問題。旧エアコン取り外し→壁を復旧→新エアコン取り付け、となるとエアコン業者を二度呼ばなくてはなりません。その間に内装業者にもお願いするとなると、エアコンプロジェクトのコストは一気に跳ね上がります。
塗るか貼るか。自分でやるか頼むのか。
そんな話をした際、同僚から教えてもらったのがエコカラットでした。
壁紙の上から貼れるので施工は簡単。大穴だけ塞げばネジ山が飛び出ていても、壁紙がビリビリに剥がれていても問題ないので今回にピッタリ。30cm2サイズなので、フロアカーペットの要領で貼っていけば自分でも綺麗に貼れそう。
コストで検討
ただし問題はコストです。
ほぼ石材なので壁紙よりも塗装よりも圧倒的に高い。標準価格は1箱=1m2(パネル11枚)で8,600円。今回の壁面は180cm x 230cmあるので4箱で34,400円・・・。内装業者に壁紙貼り直しをお願いするのと同じくらいでしょうか。
見た目の為にコストは妥協するか、と思っていたら【シンユウ】の通販ページを発見。
定価売りが多い他社と比べて1箱5,390円と圧倒的に安く、送料は北海道でも300円と激安。独特な通販ページでしたが、連絡もこまめに返してくれるので問題なく入手することができました。留守でも軒先に置いていってくれたのはむしろ楽。おそらく業販主体で都道府県内の倉庫から直配してるのかも。
という訳でズシリと思いエコカラット山が我が家に届きました。
買い物
方針はエコカラットに決めたので、次は材料を買い揃えます。
エコカラット
上記【シンユウ】のサイトでは、エコカラット数量目安算出プログラムを使って必要枚数の計算、専用接着剤の目安を知ることができます。タイルデザインについてはLIXILショールームで実際に触れる他、ECOCARATシミュレータも参考になります。
自分はエコカラット ランド〈石ハツリ面〉4箱にスーパーエコぬーるG 1㎏を3本購入しました。
しめて合計26,240円。
道具
・タッカーはダイソーで
タッカーというのは強力なステープラーで薄地の布や紙などを木材などのボードに打ち付ける道具。
エコカラットは重量があり、貼ると壁紙に剥がれる力がかかるため45cm間隔で止めておく指示があります。これは今回しか使わないのでダイソーで買いました。300円+専用針100円。ちゃんと使えてます。
・ロータリーカッターは必須
後述しますが「ロータリーカッターLL型|オルファ株式会社 」はエコカラットを切るなら必須の道具でしょう。ロータリーカッターL型でも用は足りるかもしれませんが、LL型が楽でした。ちなみにダイソーのロータリーカッターはゴミなので絶対買ってはいけません。
・ボンドを塗るヘラは自作
壁に塗るようなボンドは粘土が高いので、櫛形のヘラで塗ります。
これはダイソーで0.9mm厚塩ビシートを購入し、適当な形に切り取って自分でクシ型にキザギザをつけました。塩ビシートなら色々代用できるし、ボンドがこびり付いてもどんどん新しくできます。
・その他
穴埋め用の12.5mm石膏ボードは36板で400円くらい。ちょっとしか使わないから無駄だったけど、それでも他の板材から比べると破格のため購入。
他に水準器、幅広のマスキングテープ(ボンド塗布時の養生)も購入。手持ちの道具からはカッターのガイドとして金尺、割付のためのメジャー、エコカラットを折るウォーターポンププライヤーも使用。
準備が8割
よく聞く言葉ですが、エコカラット施工もほんとそれ。
壁面補修
まずは壁面の準備。
エコカラットに決めた事で、エアコンは撤去&取付を一気にやってもらいました。
その結果新しいエアコンがついた壁にはロスナイ換気扇の14cm2の穴、旧エアコンの直径6cmの穴とコンセントボックス、モールの取り付け跡が残りました。
下の写真ではロスナイだけ先に外せたので穴埋め済み。
大きな穴にはまず、裏板になる木っ端を入れてネジ止め。土台ができたところで大きさを合わせてカットした石膏ボードで蓋をし、隙間を木工用パテで埋めました。
旧エアコン裏に眠っていた当時の壁紙は風化してボロボロ剥がれます。出来る限り剥がしたのち、盛り上がっているところがあれば今の壁紙ごと切り取りました。見た目よりもフラットになることが重要です。
あとはタッカーで壁紙を固定して壁面補修完了。
割付と切断
次は割付(レイアウト)を決め、それに合うようにタイルをカットする大事な準備。
今回は壁一面までは貼らず、エアコンの高さに元の壁紙を残しました。白い壁の上にエアコンがあったほうが、部屋に馴染むかな?と思いまして。変だったら追加で貼るつもり。どこまで貼るか決めたらマスキングテープで囲み、エコぬーるがはみ出さないように養生しておきます。
ランド〈石ハツリ面〉の両サイドはタイルが互い違いに飛び出ているため、壁の両端に貼る16枚は凸の部分を切り取っておきます。またエアコンやコンセントがぶつかる部分も同様です。
一つ一つのタイルは表面が固く、中身は脆い「おかき」みたいな素材。最初はジグソーで切断してみましたが、石だけあって木工用ブレードではあっという間にすり減ってしまいました。また切断時に上下に激しく動くため、思いがけずタイルを割ってしまったり、白い粉を撒き散らしたりとまったく不向きです。
削り切るのはやめて、大型カッターで筋を掘って割る方法を試しました。ジグソーよりは幾分楽なものの、硬い石をひっかくように切れ目を入れるのはなかなか大変。これを16枚も加工するのか~と思うとうんざり。
そうして試したら目からうろこだったのがロータリーカッター。自炊用のロータリーカッターは体重をかけても刃が折れず、往復で斬れるので素早く深い切れ目が入ります。金尺もずれません。これで切るとキットカットの様にパキッと綺麗に割れてくれました。シンユウでも売ってるだけあります。
タイルを少しだけ切り取る場合は、ウォーターポンププライヤーなど噛む部分が多い工具で折ると綺麗に折れます。
下地づくり、位置決め、材料切断まで終わってしまえばあとは貼るのみ。
ひたすら塗って貼る
塩ビシート製のヘラは2,3個つくり、お好み焼きのヘラの様にお互い余分なボンドをこそげ取りながら塗りたくりました。
グレーのエコぬーるを歯磨き粉風にチューブから絞り出し、ひたすら塗る&伸ばす。
白かった壁にグレーのボンドが乗るといよいよ後戻りできない感ある・・・
エコぬーるの乾燥時間は30分。2列分塗ったら貼って、を繰り返しました。途中TV壁掛けのため貼らない部分も用意。
朝9時から始めてひたすら貼り続け、暗くなった頃無事貼り終わりました。基本的に先に貼ったタイルに突き当てただけですが、ピシッと綺麗に貼れました。
一部エアコンの外周とエコカラットを貼らない部分がかぶったので、アサヒペンの補修用壁紙ロールを貼って対処。面積が狭いから全然わかりません。
今回の貼り付けで味をしめたのでトイレとかにも貼りたくなってきました。
防水機能を追加したエコカラットプラスもあるそうですよ。