NVIDIAのGeForce RTX3080にAMD RADEON 6800XTが出揃って性能・獲得競争に華が咲く師走。
グラボを買い換えよう!とお店に行ったら、遠い世界の話と思っていたRyzen™ 9 5900Xが「ラス1個あります!」と呼び込んでいたので買っちゃいました。
使ってみたら、思っていた以上にゲームが快適に。
噂通りの性能に驚かされました。
AMD Ryzen 9 5900X
Ryzen 5000シリーズは最新の”Zen3″アーキテクチャを採用したメインストリーム向けCPUです。
10月に発売した途端、ぶっ飛んだシングルコア性能とその入手困難さが話題になりました。
同時に発売されたRyzen 5000は以下4種類。
5950X | 3.4GHz | 16コア32スレッド | 96,800円 |
5900X | 3.7GHz | 12コア24スレッド | 64,980円 |
5800X | 3.8GHz | 8コア16スレッド | 53,480円 |
5600X | 3.7GHz | 6コア12スレッド | 35,800円 |
参考価格はパーツアーカイブ – 札幌 – マル得速報!より。
これまで私が使っていたCPUはIntel Core i7 8700K。
前回”Z97 + Core i7 4790K”から”Z370 + Core i7 8700K”にチェンジした際、ベンチの数字ほどの実感もなく残念な気持ちが残りました。
結果「マルチコアが進んだ今、CPUでは大して変わらない」と半ば冷めた印象を持っていたわけです。
ところが。
Ryzen™ 9 5900Xは「体で実感できるスピードアップ」を感じさせてくれます。
特に旧タイトルのMMOを始めとする、「Not最新の描画エンジン」のゲームが軒並み速くなりました。
グラボがGTX1080Tiと古いままで、FPSが30%前後上昇したタイトルもあります(UE3エンジン)。
コマ落ちどころか画面フリーズレベルの処理落ちが発生するシーンでも、5900Xなら操作可能なレベルに引き上げます。
古いタイトルほどシングルコア最強と言われるRyzen 5000はすごく効きます。
またM.2が晴れてPCIe4.0接続になりました。リード5,000MB/sのNVMe -FireCuda 520本来のスピードがようやく発揮されます。
直接的なベンチマーク比較は他サイトから引用します。
最近話題のCyberPankのスコア。
確かにすごいけど、実際に測っているかは怪しい。
こっちは測ってそうなCinebench。
シングルコアの差は25%程度でも、マルチコアでは圧倒的です。
消費電力と温度
反面、スピードの対価として電力消費、発熱ともに結構上がりました。
消費電力
デスクトップ安定時は165W。
ゲーム中のピークは406Wに達します。
昔はデスクトップ画面で55W、ゲーム中は260Wでした。
各パーツのアップグレードを差し引いてもかなり高い。
前回作ったAdafruit IOの消費電力計ログでも確認。
ゲーミングPCを除く部屋全体の消費電力は日中88W安定(リビングサーバも動いてる)。
それがメインPCでゲームをすると常時480Wを消費しているという結果に。この数字には照明、ディスプレイやアンプなども含まれています。
電源は今も昔も80PLUS Platinum。ディスクがNMVe1本なのも一緒。
グラボの差は1080と1080Tiであるけれど、やっぱりCPU、つまりプラットフォームの差が大きい。
温度
CPU+M/Bの交換前後の温度をCorsair iCueでロギングしました。
両方ともブレイドアンドソウルを2時間以上プレイした時の記録です。
まずこれがIntel Core i7 8700K+ASUS ROG STRIX H370-I Gaming.
CPUは振れ幅が多少あり、平均は72.5℃。
GPUも同じく振れ幅があるものの平均64.5℃。かなり冷えてます。
そして次に今回の構成。AMD Ryzen 9 5900X + ASUS ROG Strix X570-F Gaming.
CPUは平均77.9℃とほぼ80℃をキープ。一時的なピーク以外は80℃に張り付いてるとも言えます。
GPUは上下の激しい温度変化があります。平均69.3℃でも、高温時は80℃オーバー。
この事からGPUの稼働率は明らかに上がっていると言えるでしょう。
ブレソのようなCPU偏向のタイトルでもこうですから、8700Kでも少なからず1080Tiを持て余していたかもしれません。
あとはCPUが「80℃でなにかスロットリングされいないか?」は気になります。
ASUS ROG Strix X570-F Gaming
最後は5900Xのために買ったマザーボード、ASUS ROG Strix X570-F Gamingについて。
すでにリビングサーバ用にASUS TUF GAMING B550-PLUSを買ったので「同じB550」は嫌。
そして「同じTUFシリーズもなんか癪」という理由だけでTUF GAMING X570-PLUSを避け、ROG Strix X570-F Gamingにしました。
X570はB550の上位にあたるチップセット。
チップセットとしてもPCIe4.0 バスを持っているため、2つのPCIe4.0 M.2 Socketを搭載したストレージ構成が可能。
B550ではCPUから出るPCIe4.0以外はPCIe3.0接続です。
反面、熱が厳しいのかどのメーカーでも小さなチップセットファンを搭載します。
では同じX570を積むTUFと比較したROGのメリットは?と調べてみました。
- チップセットを使った3本目のPCIe 4.0 x16スロット
- LANが蟹じゃなくてIntel I211
- フロント用USB 3.2 Gen 2 (up to 10Gbps) コネクタ
- アドレサブルヘッダーが2系統
- チップセットファンで冷却されるM.2ヒートシンクが2本分
- I/Oバックパネルが固定式でロゴグラフィックライティングがある
- オーディオチップがS1220A(TUFはS1200A)
このように、ちょこちょこ高級仕様になっているのがROG。
これと数千円の価格差をどう受け止めるか。
付属ツールでの機能やデザインに多少差があります。
日々いじる趣味のPCならROGがやっぱりオススメ。