ゲームPCのディスク容量が足りない。
当時余裕を持って買った500GB SSDも、Steamの50GB級タイトルやGeForceのプレイ動画で今やカツカツ。
何かを始めるたびに、中身を削るのはストレスです。
Seagete FireCuda 520 NVMe SSD
そこで今後のパーツ流用も考え、SSDのグレードアップを行いました。
これまではNVMe M.2 SSD PCIe3.0接続の”Samsung 960 Evo”。今回買ったのはPCIe4.0接続のNVMe ”Seagete FireCuda 520”です。
520は今時点で唯一となる、PCI Express 4.0に対応した最新コントローラ”Phison E16”を使用。
PCI Express 4.0 x4レーンで接続されるSSDの帯域は64Gbpsにもなります。
なので”対応マザーボードを使えば”、以下の通りな大幅スペックアップとなります。
Samsung 960 Evo | Seagete FireCuda 520 | |
容量 | 500GB V-NAND | 1TB 3D-TLC |
シーケンシャルリード | 3,200 MB/sec | 5,000 MB/sec |
シーケンシャルライト | 1,800 MB/sec | 4,400 MB/sec |
ランダムリード | 330,000 IOPS (4KB, QD32,Thread 4) | 760,000 IOPS (4KB, QD32,Thread 8) |
ランダムライト | 330,000 IOPS (4KB, QD32,Thread 4) | 700,000 IOPS (4KB, QD32,Thread 8) |
ただし、今使ってるROG STRIX H370-IはオールドなPCIe3.0。
「PCIe 4.0 SSDをPCIe3.0に挿すとどうなるか?そもそも使えるのか?」
これが今回最大の興味でもありました。
結論から書くと普通に使えます。そしてどうなったかはベンチマークをご覧下さい。
一番注目されるシーケンシャルはリードが2割アップ。
ライトは5.5倍と驚異的なスピードアップです。
ランダム性能に関してはSamsung Magicianで表示されるIOPSを参考にしました。
リードライト共に、カタログスペック(PCIe4.0)の半分程度しか出ていません。
しかし、自社の960Evoも大きく落ち込んでいます。なので相対的数値として比較し、同じく圧倒的な性能差が出ている事を確認しました。
なおSSDは構造上、容量が大きくなるほど速度が上がります。
その分の性能差も入っているのはご考慮下さい。
実際FireCudaも500GBと1TBでは、書き込みやランダム性能に4割近い差があります。
データ移行はEaseUS To Do Backup
新SSDはクリーンインストールせず、ツールで丸っと旧SSDの中身を移しました。さすがに面倒で。
使ったのは以前記事にも書いたEaseUS To Do Backup Freeです。
OS上のアプリから起動USBを作成します。
無料でUSB起動のリストア、クローン、ネットワークドライブ参照が可能です。
当初はサーバにあるバックアップから、ネットワークリストアを試みました。
USB 2.5GbE アダプタのドライバを読み込ませ、サーバの共有フォルダをドライブにアタッチ。
そこまでは良かった。
でもスピードが全然出ません。ずーっと150Mbpsくらいしか出ない。NICのせいかと思って1GbEで試すも変化なし。
2.5Gbpsを使った高速リストアは絵に描いた餅で終わりました。
結局、ROG STRIX H370-Iの裏側にある2nd NVMeスロットを初めて使用。SSDを2枚刺しすることでクローニングしました。
復元先のパーティション拡大も行い、かかった時間は30分ほど。
この2ndスロットは無風なのでSSDがどんどん熱くなります。なんとなく予想はしていたけれど、このスロットは常用できそうにありません。
冷却が追いつかない
ROG STRIX H370-Iの1stスロットはここにあります。
フロントファンの風はDIMMに遮られ、上下をCPUとグラボという2大熱源に挟まれるポジション。高層ビルに囲まれた札幌時計台みたい。
このまま使っているとSSDの温度が72度まで上昇。CPUを超えてます。
慌ててファンコントローラを最大にするも60台後半。
RGBファンを諦め、静圧の高いファンに交換することで65度前後まで落ちました。でも常用するならもう少し下げたい。
そこでマザーボードのパーツと干渉しない、スリムで背の高いNVMeヒートシンクを買ってきました。
HM-23 | Ainexです。ビックカメラで1,000円ちょっと。
幅はNVMeSSDと同じで、挟み込まずに両面シールで貼り付けるタイプ。周囲に制限のあるH370-Iにはピッタリです。
ただ直立の固定が心配なので余ってたゴムバンドを追加。
反面背が高いのでグラボの下にM.2ソケットがあるマザーでは使えません。
温度は一気に低下。同じ風量でも55℃前後をキープできるまで下がりました。
高速PCIe3.0 SSDとしても使える
熱くなりそうだなー、とは思っていたけれど、予想以上に熱かった。
そして実のところ、あまり960 Evoとの速度差は体感できていません。
でもFire Cuda 520の一番の魅力は将来性。
今後PCI Express 4.0マザーに乗り換えれば、圧倒的な速度が手に入ります。
値段も970 Evoより大分安いし、ベンチマークは同等クラス。
熱=消費電力は気になるけれど、PCIe3.0 SSDの選択肢としてアリです。