まだまだ大きく、値段も高いと思っていたコードレスBuletoothイヤホン。それがいつの間にか数千円で買えるようになっていたのでポチってみました。
QCY Q29 Pro
QCYは自分には初耳のメーカーです。
でも耳から飛び出ないコンパクトさに滑らかなラウンドデザインに洗練された印象を受けました。また「ケースにしまうと充電」という今のトレンドも取り入れられています。これは良さそう。
手にとって見ると、人差し指の先くらいのサイズ。重さも片耳6gと軽い。
イヤーピースはS,M,Lの三種類のみ付属。充電ケースはイヤホンがピタリとはまる形状になっているため、社外品のイヤーピースでは収まりが悪くなりそう。手持ちのJVCのスパイラルドットLをつけてみたけど入りませんでした。
使い勝手
小さく折りたたまれた英語の説明書に沿ってペアリングからしてみます。
ボタン操作
ロゴ部分を両耳同時に1秒押すと電源ON。
続けて同時にダブルタップするとまずお互いがペアリング。
「Welcome to QCY….Connected.」
という圧縮高めな女性の声でアナウンスが流れます。
あとは右耳のボタンを5秒押すとプレーヤとのペアリング待機状態へ。他のヘッドホンと同じくiPhone側で選べば普通にペアリングが終わりました。
レビューにあったペアリングの難しさは特に感じません。
次からは両耳同時にONするだけで両耳、プレーヤとのペアリングは自動で行われます。
電源を切る時はどちらかのロゴ部分を3秒ほど押すと終了音と主に電源OFF。
フィッティング
「ケーブルがまったくない」という点でこれまでに無かった快適さを実感できます。
カバンから出してもケーブルが絡んだりしてないし、マフラーや厚着をしていもケーブルが引っ張られない。電車の乗り降りに気を使うこともないのです(動いてずれるのは別として)。
本体が6gしかなく突起がないデザインなのも異物感を減らしている大きな要素でしょう。
少し残念なのはイヤーピース。硬めの素材で、耳の穴の形にはフィットしません。なので遮音性は低く、装着していても外の音は結構聞こえます。読書やスマホを弄っている時はズレないけれど、歩くと差し込みが浅くなるかなぁ?という感じ。
安定性やバッテリー
たまに電源ON直後、数秒間片側しか聞こえない事はあります
でも最初に「Connected」と言っていれば、そのうち左右から鳴り始めます。曲の入りでは素早くフェードインする気遣い処理付き。突然の大音量に「うわっ」っとなる事がままあるのでこの点は気が利いていますね。
ボリュームの段数が少ないのか、狙った音量にしづらいのは残念。この中間が欲しいのに!と思う事がしばしば。
繋がってしまえは概ね快調に使用可能。ただし、電車の中とか同種の電波が多そうな場所では一瞬左側が聞こえなくなる事もあります。
バッテリーは実測約2.5hで停止の15分前に英語でガイドが流れました。突然切れて意味不明、ということは無いけれどケースがないと充電できない点はどうしようもありません。No music No Life.な人は予備を持ちましょう。
音質は?
まず85点
細々書く前に、QCY Q29 Proは日常音楽を楽しむのにまったく不満のない音質であると明言しておきます。
左右独立でバッテリーサイズの制約もあるプロダクトなのに音質についてどうこう言えるレベル。まさに技術の進歩だと言えるでしょう。もっと完成度が低くて、色々我慢がいるのかと思っていました。
中域はメリハリよく、S/N比もそれほど悪くありません。音場は狭めですが立ち上がりの良い音です。
低域は緩く、高域は刺さり気味
その85点を満たしているよ、という前提で些細な事を書いていきます。
オーディオってそういうものだし。
マイナス面の特徴で感じるのは高域の刺さりです。ボリュームを上げると僅かながら「さしすせそ」が「シャ!シ!シュ!シェ!ショ!」になる傾向があります。エフェクトをかけて歪むギリギリ前にした様にも聞こえます。中域の鮮やかさを出すためのチューニングがここに影を落としているのかもしれません。
低域は高域ほど気にならないものの、曲によって締りなく大味に鳴る事もあります。低音の微細な鳴り分けは苦手なようです。
これらの短所は圧縮音源に良く出ます。ロスレスなどの音源ならそこまで気になる事はありませんでした。
完全ワイヤレス環境を楽しめる
手持ちのイヤホンにまた一つ新しいものが増えました。その中で「今外に持ち出すとしたらどれ?」と聞かれたら間違いなくQCY Q29 Proです。電池の持ちが怖いのでRHA MA750i+JPT1もガバンに忍ばせますけどね。
イマイチなフィッティングも、RHA MA750iに勝てない音質も「完全ワイヤレス」の快適さの前に許してしまう、そんな良さがあります。
ちなみにこの充電ケース自身にもバッテリーが内蔵されていることがわかりました。これで持ち歩けばいくらかイヤホンの再生時間を伸ばすことができそうです。裏にLED点くのなんでだろう?と思ったらそういうことか!連続再生の短さをカバーする策が仕込まれていたわけですね。
※国内品はNew modelとあってもProがつかない模様。同一かは不明です。