自作NASのハードウェアにインストールしたTrueNAS Scale。
今までのリビングサーバと同じ事ができるよう、設定していきます。
初期設定
まずは左メニュー、SystemSetting>General>Localizationから言語をJapaneseにしておきます。
ただ、国内の情報は希薄。
エラー検索する際は英語に戻してフレーズで検索したほうが早い。
1.ネットワーク追加設定
当初はDHCPからIPをもらって起動します。
ルータが無い環境ならきっと適当なプライベートアドレスで起動するはず。
それを手動で指定します。
左のネットワークメニューを開き、NIC横のペンアイコンをクリック。
DHCPのチェックを外し、エイリアスに希望のIPアドレスを入れます。
サブネットマスクは255.255.255.0の場合、/の右に24と入れます。
Windowsしか触らない人にはなかなか敷居が高い。
あとは全般の構成を開き、IPv4デフォルトゲートウェイとネームサーバ1(~3)を入れます。
これはTrueNAS自身がインターネットを見に行くのに必要になります。
ここが入っていないと後で書くAppの追加でエラーになります。
2.ディスクの構成
物理ディスクを仮想ディスク=VDEVにまとめます。
OS領域 | 32GB Sundisk MicroSDカード |
---|---|
メイン領域 | M.2 Slot1: Samsung 980 PRO 2TB PCIe Gen 4.0 x4 M.2 Slot2: Hanye SSD 2TB PCIe Gen4x4 M.2 NVMe |
バックアップ領域 | SATA HDD 1: Seagate 6GB ST6000DM003-2CY186 SATA HDD 2: WDC 4GB WD40EFRX-68WT0N0 |
接続したディスクは上記の通り。
ストレージ>プールの作成を選択。
ボリューム名は好きに入れてNext。作例で良く出てくるtankにしました。
LayoutではStripeを選択。
Manual Disk Selectionを押して2本のM.2 SSDを選択します。
あとはデフォルトのまま進め最後に”プールの作成”を選択。
赤く”A stripe data VDEV is highly …”と表示されますがつまりはそういう事です。
M.2 SSDの信頼性はHDDよりかなり上ですが、それでもいつか壊れます。
その備えをしないならデータロストしますのでStripeは使うべきではありません。
同様に4TB&6TB HDDもBackupとして別プールにまとめます。
2本のサイズも稼働時間もバラバラだから、こっちはさすがに壊れるかもしれない。
3.ユーザとグループの作成
CredentialsメニューからLocal UserとLocal Groupを作成しておきます。
この後のDatasetsのアクセス権で使いますので。
ユーザー作成の際、ホームディレクトリを作らなくていいか?
と聞かれますが不要なのでそのまま続行します。
4.Datasetsの追加
作成したVDEVにデータセットを追加します。
データセットは端的に言うとディレクトリ。
TrueNASでは作成したデータセット単位でアクセス権を設定します。
アクセス権にはUnixのファイルアクセス権=Permissionと、共有(フォルダ)のアクセス権=ACLの2つがあります。とっつきづらいのだけれど。
ACLはネットワーク用語と同一で「こいつOK,こいつブロック」みたいなルールをデータセットごとに決められます。
今回はWindows 2011 Home Serverからの名残でServerFolderを作成。
その下にPhoto,Music,Videoなどを作ります。
Linuxベースらしくデータセット名には日本語が使えないの残念。
初めて作成すると同時にSMBサービスを開始するか聞かれます。
SMBはWindowsの共有アクセス方式なので当然ON。
あとはSharingメニューからWindowsで言う”共有フォルダ”を設定。
ここには権限とかの設定はなく、どのデータセットをなんて名前で共有するか、だけ。
これでNASとしての基本部分の設定は終わり。
データバックアップ
上に書いた通り堅牢性を犠牲にして速度と合体容量を取りました。
よってTrueNASの機能を使ってデータの保全を行います。
フォルダの丸ごとバックアップを取るにはReplication機能がいいらしい
レプリケーション タスク | TrueNAS ドキュメント ハブ
TrueNAS SCALE レプリケーションを使用すると、ユーザーは、保存されたデータをバックアップする方法として、SCALE システム上のプール、データセット、または zvol に保存されたデータの 1 回限りのスナップショットまたは定期的にスケジュールされたスナップショットを作成できます。適切に構成され、スケジュールされている場合、レプリケーションはストレージ プールまたはデータセットのスナップショットを定期的に取得し、同じシステムまたは別のシステム上の宛先の場所に保存します。
Replicationは最もシンプルなデータセット同士の複写機能。
RsyncはSSH等を使ったファイル単位での2点間同期。
Periodic Snapshotはファイルごとの履歴バックアップ(昔で言う”元に戻す”)。
と理解。
ReplicationでもSSHで他筐体同期できるらしく、Rsyncとの差が今ひとつ。
Replicationを設定
Data ProtectionメニューからReplication TasksのAddを選択。
What and Whereでコピー元とコピー先を選択。
Source locationにて”On this System”を選ぶとローカルDataSetsが選べます。
DestinationにはBackup下にReplicationというデータセットを作成しておきました。
Whenでスケジュールを選択します。
”Run On a Schedule”を選択し、周期を決めて保存をクリック。
ディスクの定期検査
HDDの劣化に気づかないと被害が拡大します。
完璧ではありませんが、月に一度SMARTとショートテストを実施してHDDのエラー検出を目指します。
同じくData ProtectionメニューにあるPeriodic S.M.A.R.T. TestsをAdd。
全てのディスクにチェックを入れてテストをSHORTに設定。
スケジュールは月一です。
TrueNAS Scaleの可能性感じる
一通り設定してみましたが、無事無料OSでNASが動きはじめました!
様々なストレージをZFSで自由にまとめられるし、便利なWebUI、Data Protectionなど可能性を感じる。
また、次回はモジュール拡張、Pluginとも言えるAppの追加をやっていきます。
なお出来上がったNAS PCは常時28Wほど。
元のPCが60Wを切らなかった事を考えると、お題目だった省電力化は果たせているといえます。
たぶんね!