オーディオは宗教だ!気のせいだ!なんてよく揶揄されますが、その感覚的な音を明確にプロットする周波数特性の測定をやってみました。厳密には無響室だの正しい装置の数々が必要なんですが、個人では相対的にわかればいいレベルなので、すべてありあわせでいきます。
測定環境
- 測定対象:MarkAudio CHR-70v3でセンタースピーカーを制作
- 音声出力:LUXMAN LXU-OT2(雑誌のおまけ)(PCM2704)
- 増幅:ONKYO TX-NR626
- マイク:TX-NR626付属のAUDYSSEY測定用マイク
- 録音:SAVERTOOTH 990FXのオンボード蟹(ALC892)
マイクはSLIKのミニ三脚と合わせて謎の生き物風に。 これをスピーカーの前面20cmくらいの所に置いて測定。
吸音材は100均で買ってきたフェルトをジャバラ状に折り畳んで縫いました。
アコーディオンカーテンみたいに広がる想定だったのにお正月の昆布みたいになった。
細けえこたぁ!(ryの精神でエンクロージャの内面に貼ります。
アプリほかの設定
OSとアンプ
マイク端子にマイクを差し込んだら、録音デバイスの設定から”Microphone(High Definition Audio Device)”を開いて、[レベル]タブにて音量を100、Boostを0に。Microphone Boostなどのエフェクトが残っていると、測定時に謎の大量ノイズが乗ります。
再生デバイスのLUXMAN LXU-OT2もボリューム100%にしました。
音量はすべてアンプで調整し、今回は-55dbで測定しています。サラウンドモードはFull Mono。他のスピーカーは配線ごと外しました。
WaveGene
作者様のページefu’s pageからWaveGeneとWaveSpectraをダウンロードして解凍。設定は他のサイト様丸写し。
- 180秒、44.1kHz、モノラル
- Wave1:サイン波 20Hz スィープON
- Wave2:OFF 20000Hz
これで3分かけて20hz~20000Hzまで変化する音が出ます。このツールは昔使った事あるなーと思ったら、イヤホンのエージングでお世話になっていました。
WaveSpectra
スパナマークの設定を実施
[Wave]
- 縦軸(Amplitude) 倍率:x1
- 横軸(Time) 倍率:x10
[Spectrum]
- 縦軸(Amplitude):dB 80dB
[FFT]
- サンプルデータ数:8192
[録音/再生]
- 使っている録音デバイスを選択する。
設定を終えたらメイン画面でツールバーの「測定モード」と「録音(●)」を押下。さらに左下の”Main”と”Peak”、”OVL1″を押せば測定準備完了。赤いグラフはピークを表しており、●を押すとリセットされます。
測定結果
まず何も吸音材を入れない状態で測定
フラットじゃないのはまあ仕方ないとして、特に177Hzにあるディップが気になります。この部分は自分の耳で聴いても明らかに減衰している事がわかるほど。ポートの形が悪いんでしょうか。
これに対して、吸音材を入れた状態の測定結果がこちら。
ぱっと見一緒ですね。よくわからないので重ねあわせてみましょう。
やっぱり一緒ですね。黄色が重なった部分です。ここから読み取れる事は
- 全域の揺れは測定時の誤差では無く、確実に機材(再生側or録音側)が原因
- 吸音材は低域にはほとんど影響を与えていない。
- (強いていうなら)1.5kHz~2kHzにてぶれ幅を減少させている
- (強いていうなら)10kHz以上の伸びを改善している
くらいのものでしょうか。思った以上に安物のフェルトに吸音効果が無いのかもしれません。近場に専用の吸音材を売っているお店があればいいのですが。
この測定の様子はなかなかおもしろいので動画で撮ってみました。ShadowPlayで撮影してあります。奇っ怪な音も入ってるので音量には注意してください。
結局このグラフは一定音量で再生周波数を下から上まで変化させた時、どれくらい均一に音を出せるかを表しています。「原音再生」を性能とするなら何よりもフラットである事が理想ですが、自分の好きな音が出るかはまた別問題でしょう。
というエクスキューズをつけて結局耳で聴きながら吸音材を調整しました。試した所では
ユニットの上下2面だけ貼る>>吸音材無し>>>>>>ジャバラを含む全面吸音材
という聴き心地。全くないと低音が唸る様ですが、入れ過ぎると今度は小じんまりした音に変な響きが付いてきます。面白いですね。