昔ながらのパソコンユーザーなら電源を入れた時に「ピポッ」っと鳴るNECのPC-98シリーズを知っている事でしょう。そしてもう何十年も聴いていないかもしれません。その「ピポッ」を今のPC/AT互換機(死語?)に追加できる同人キットがあったので取り付けました。
国民機起動音発生装置 PiPo Ver. 6.2A
キットの名は国民機起動音発生装置 PiPo Ver. 6.2A。店内改装中の三月兎で買ったまま、一月近く放置しようやっと作る気になりました。q製作者の記事を見る限り、結構出荷数は少ないみたい(ニッチもいいとこなのでむしろ多いとも言えるかも)。詳しい紹介は下記サイトにあるのでそちらを御覧ください。
部品数点の簡単なキットなので特に考える事なく、熱に強い部品からつけていきます。
ポイントがあるとすれば3つある半固定抵抗の足の位置でしょうか。ツマミタイプのVR1だけ変則的な取り付け位置になりますが、説明書をよく読めばわかるので注意して読みましょう。Inputピンだけ1つ分切り離して使います。
ものの20分くらいで基板は完成。
VR1で音程(音の長さ)、VR3でボリューム、VR2でINPUTピンの無視時間を決めます。INPUTピンにはM/Bからの本物のスピーカーピンを接続する事でスピーカーを共通化する事が可能。その際に入る元々の起動ビープ音を、VR2の指定時間だけ鳴らさないようにすることができるようです。
S1は押すとテスト鳴動が可能。
ケースのフロントカバーを開けた所にネジ止めしました。スピーカーは最近のケースにおまけで入ってくる圧電スピーカー。商品によってはブザーユニットなどと書かれたりもします。
ピポッ。
と懐かしい音が。思わずニヤリ。
でもなんか違う。こんな耳を刺すような音だったっけ??
最高のピポッを求めて
PC-98の頃はこんな小さな圧電スピーカーではなく、5cmくらいのペーパーコーンのスピーカーがついてました。でもそんなのとうの昔に捨てたし・・・そうして探して見つけたのが入れ替えにより余っていたStereo8月号付録スピーカー。PCのBEEP用スピーカーとしてはこれ以上ない高級品でしょう。
その音をご確認下さい。
違いは歴然。やっぱり紙ですよ。
ウン10年前のPC生活を酸いも甘いも掘り起こしてくれる様な、心に染みわたる鈍色の音です。
なお、今もPC-98の起動音を覚えてる人には「あれ、音もっと短く無かった?」って思うかもしれません。実際正確に測ったわけではなく、我が家に初めてきた386SX16MHzのPC-9801DSはこれくらいだったんじゃ?と思って調節しました。Youtubeにアップされた晩年のPC-98を観る限り、もっともっと短く「ピッ」っとなって終わり、くらいの長さの様です。