今年もあっという間に師走に入ってしまいましたね。
今年は約1年の構想を経て、我が家の1x年目のお風呂をリフォームしました。
当初想定でもお風呂にかかるお金は100万円↑。
でもお風呂は生活の基盤だし我慢するのもなー・・・と悩んだところ、自治体によっては「エコリフォーム助成金」なる制度があり、費用の一部を市が助成してくれるそうな。
それを個人で受ける手順を探しましたが、あまり書いてる人が居なかったので噛み砕いて記録に残したいと思います。
長くなったのでリフォーム・リノベーションに興味のある方だけどうぞ。
エコリフォーム助成金とは
概要
単純なリフォームではなく「エコになるリフォーム」に対して、市が補助金を出しますよ、という制度です。
実際にはエコに限らず段差解消や手すりの追加などバリアフリー対応が含まれ、主に内装の回収が対象です。
年に2回募集があり、申込者が多数の場合は予算に合わせて抽選を行います。
その当選者が各種手続きをすることで、定められた最大金額の範囲で給付してくれます。
ただ多くの場合、申請は施工業者がするものらしく難解。
自分はその工数が見積に入ってほしくなかったため、自分でやることにしました。
定められた最大金額
対象のリフォームとそれぞれの上限額は下記リンクにあります。
総工事費(税抜)の10%(千円未満切捨)又は一戸当たり50万円(複数戸の場合は、100万円)のいずれか少ない額を限度とし、補助対象工事ごとに札幌市が定める補助金額の合計
要は最大1割が出ます。ただし各工事の最大金額内で。
お風呂の場合は戸建ての1坪ユニットバス交換で「最大148,000円/か所」。148万円のお風呂リフォームを行った場合、最大の給付となります。
リフォームは水回りをまとめて行う事も多いため、例えばこれにトイレも行うと+31,000円/か所で179,000円、というようなカタチ。
申請の流れ
年度ごとに変わるらしく、もしかすると実施しない年もあるかもしれません。
ただ、見る限り2017年から3年間毎年同様に行われており、このパターンを踏襲すると思われます。
- ~3月末:工事内容確定
- 4月中旬:エコリフォーム制度詳細が正式公表される
- 4月下旬:申し込み書類作成・準備
- 5月GW明け:市役所本庁舎7階の都市局市街地整備部住宅課へ提出
- 6月:書面で正式に交付決定→施工業者へ発注
- n月:リフォーム工事完了→完了書類提出
- n+1月:完了書類検査合格→申請→給付
以上が大まかな流れ。
これに沿って各フェーズを解説します。
構想~提出
一概には言えませんが、今回自分が行った「お風呂リフォーム」を例に期間を書いていこうと思います。
~3月末:工事内容を確定
2019年は増税前ということもありかなり引き合いが多く、納期も工期もタイトとの事。
そこで3月中には工事内容を決定し、数社に見積を依頼。4月頭には施工業者を確定させるスケジュールで動きました。
なお施工業者は「建設業許可番号」を持つ登録業者である必要があり、有無は国土交通省 | 建設業者 検索にて確認できます。
お風呂について突っ込んだハナシ
エコリフォーム助成金を考慮する場合、好きに風呂を選んで良いわけではありません。
リフォーム後いずれかの改善が見込めなくてはなりません。
- 浴室内寸面積が 0.2 ㎡以上増加するもの
- 浴槽のまたぎ高さが 5 ㎝以上低下するもの
- 入口段差が 5 ㎜以上低下し、見切り等を含めて段差が 5 ㎜以下になるもの
- タイル床から滑りにくい床へ改修するもの
- 高断熱浴槽へ改修するもの
ユニットバスからユニットバスへのリフォームだと、1,2,4は適用しにくいようです。昔ながらの小粒タイルを敷き詰めた床や、風呂釜が浴室内にある古い浴室ならこれが対象になりえます。
なので当初3.で適用を受けるつもりでした。
でも今回選んだ鋳物ホーロー浴槽 プレデンシア | タカラスタンダードの詳細図面には「入り口段差:8mm」の記載あり。メーカーに「これ5mmにならないんですか。」と聞いてもならないらしい。ですよね。
ということでのこる5.「高断熱浴槽」で申請することに。
「高断熱浴槽」の定義は「湯温降下が4時間で 2.5℃以内」というもので、各社とも主力製品以上のグレードにはみんなこの数字が書いてあります。
プレデンシアの場合、これの達成には「断熱風呂フタを使用すること」が条件。なので風呂フタも入れて再見積もりを取りました。
また、1~5に関わらず「手すりが壁面に 2 か所以上設置されていること」という絶対条件もあります。なのでシャワーバーを手すりタイプに変えたほか、単体の手すりも追加しています。
4月:書類準備
ここが一番大変でした。
市のフォーマットで記載するもの
- 住宅エコリフォーム補助金交付申請書(要綱様式1)
- 工事内容記載シート(要領様式2)
- その他の補助申請に関する申出書(要領様式3)と同意書(要領様式4)
1.は「浴室の改修ー浴室内寸面積2.55㎡以上(1坪タイプ)」で申請。
「請負施工業者情報」だけは施工業者に情報提供してもらう必要があります。予め記入した申込用紙をくれる場合も有り。
2.は具体的な工事の内容を記入します。旧浴室は実測で、新浴室は見積の寸法図からサイズを取りました。
また工事箇所の写真は多数提出するため、Excelシートに各部の写真を貼り付けて提出しています。
3.は併用する補助が無かったため上半分を「無」で埋めて終わり。
入手するもの
- リフォーム会社の押印がされた見積書
- 自宅の間取り図(全体かつ工事部分がわかるもの)
- カタログ(パンフレット)の写し
- 住民票
- 建物登記事項証明書
- 納税証明書
3.はお風呂本体というより、今回でいえば「お風呂が高断熱浴槽であることを宣伝しているページ」と、1.に書かれた手すり型番がどの商品か分かる「オプションのページ」が必要。高断熱浴槽が蓋によるものであれば蓋のオプションページのコピーも必要です。
5.は市役所駅前の札幌法務局証明サービスセンター:札幌法務局の端末で取ります。
5月:申請
受付期間になったら市役所の住宅課に一式揃えて持ち込みます。
市が定めた予算に達すると募集自体が締め切られるため、できる限り急ぐようにしました。
自分は開始二日目に行きましたが住宅課の前には椅子がズラリ。初日は結構待たされるのかもしれません。
持参書類を細かくチェックされ、記入漏れなどがあれば教えてくれます。
データが足りない部分は追加で要望されるか、詳細検査の段階で不足した場合は連絡するとのこと。
自分はこの時「手すりタイプに変えたシャワースライドバーの型番が載っている資料が必要」と言われました。理詰めの審査です。
発表~給付
5月度の締切日の翌日、Web上で「今期の一次審査は全員合格」と掲載されました。
2018年度は抽選をしていましたが、7割ほどが当選していたようです。2019年度は増税前駆け込みを見込んで予算が多かったかな??
でも、工事発注は正式な当選通知「助成金交付の通知書」が届いてから。
締め切りの後、申し込み順に詳細審査が行われます。
6月~8月:工事発注と施工
助成金交付の通知書は6月8日に届きました。
晴れて施工業者に発注。タカラスタンダードのお風呂は受注生産のためここから約一月の待ちが発生。
また工事中は4日ほどの立ち会いが必要なため、休暇を調節し8月の暑いさなかに工事をお願いしました。
旧ユニットバスが取り除かれた我が家のお風呂。
トイレの時もそうでしたが、「お風呂」という場所もユニットバスを剥がせばただの部屋だということがわかります。
9月頭:完了報告
工事が終わり、施工業者から領収書を受け取ったらまた資料を集め、市へ完了報告を提出します。
- 住宅エコリフォーム工事完了報告書(要綱様式8)
- 工事内容記載シート(要領様式2)
- 工事完了時の写真
- 性能証明書
- 領収書の写し
1.が今回一番大事な書類。工事金額を記載し、施工業者に押印してもらう必要があります。
もし金額に相違が出る場合、早い段階で「変更申請書」の提出が必要だとか。面倒そうなので準備は確実に。
2.は申請時の書類と同一です。改修後の実測をした値に直して再提出しました。
3.は申請時と同様の構図で撮影し、同じフォーマットのExcelに貼り付け提出しました。大きい画像でなくて良いようです。保温蓋の品番や手摺部分など、条件になっている部分も追加して貼っておきます。
4.高断熱浴槽について、メーカーが性能を保証する資料が必要になります。タカラスタンダードに聞いたらすぐ送ってくれました。ちゃんと工業試験場でのエビデンスが出てきます。
このエビデンスの型番と現地の商品を結びつける写真が要るのですが、実際には現品に型番はありませんでした。メーカーに確認したところドアに張られた「プレデンシア」のシールで問題ないそうです。
9月末:請求~給付
あともうちょっと。
提出した完了報告が検査され、正式に認可されると「補助金交付額確定通知書」が届きます。
その書類と「住宅エコリフォーム補助金交付請求書(要綱様式10)」を再度窓口に提出してやっと補助金給付となります。
申請から実際の入金まで約ひと月。説明の通りです。
あとがき
長々かきましたが、最低3回は市の窓口に書類提出に行く必要があります(後半は郵送でも可)。
他に申請に来る人はみんな専門業者さんの様で、やり取りもなれている様でした。
自分の書いた手順には冗長な部分もあると思いますが、とにかく細かいので「要りそう」と思える資料は全部持っていって、窓口で確認とって出すのがよろしいかと。
手間を惜しまなければ今回の様に個人でも受給可能という事はわかりました。
お風呂はかなりお金がかかる買い物ですから、苦労だけで10万円↑が還ってくるなら本当ありがたい。そして新しいお風呂はめちゃ快適です!!
これは札幌市の例ですが、ググってみると同様の助成金は多くの市で行っている模様。
来年度検討中の方は一度調べてみては。
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