Windows10のマスターPCにおけるSysprepが失敗する3つの理由

Windows10のマスターPCにおけるSysprepが失敗する3つの理由

Windows7の正式サポートも残すところあと4ヶ月を切りました。
最近Win7→Win10への移行に絡んでか、「Sysprep」というフレーズが入った記事に多くのアクセスが来ているようです。

そこでそれなりの数のWindows10をマスター化=Sysprepした経験での、失敗談をトップ3に絞って挙げてみたいと思います。画像はない。

第一位 UWPアプリが残っている

Microsoftのフワフワっぷりの産物「UWPアプリとSysprepの不整合」がダントツの原因第一位です。
スタートタイルに並ぶ今風のWindows10アプリ=UWPアプリは入っているだけでSysprepの邪魔をします。

そもそも邪魔をする原因を解消できないMSが悪い。

Sysprepが失敗した際は%SystemRoot%\system32\sysprep\partner配下にできるsetuperr.txtにそれらしいことが書かれるのですぐ分かります。

Ver.1511のあたりから、Enterpriseにしか効果のない「Microsoft コンシューマー エクスペリエンスを切れば大丈夫」みたいな話がふえました。しかし地方でそんな高価なOSを使う案件はほとんどありません。

対策

「UWPアプリ」を諦める、が一番。
これが嫌ならクローニング後に個別にWindows Storeを復活させてインストールする他無いと思っています。

実際の作業はWindowsUpdateを最新まで当てた後、PowerShellのGet-AppxPackageとRemove-AppxPackageで一気にUWPアプリを削除、プロビジョニングパッケージも全削除します。これをやらないと作業用アカウントはきれいになっても、他のユーザーを作った時点でワラワラと湧いてきます。
またUWPの流入元となるMicrosoft Storeを無効化する必要があります。

アンインストールコマンドを投げてもスタートタイルにはいくつかのアプリが残りますが、それは個別に右クリックからアンインストールを選べばSysprepを阻害しません(Ver.1809にて検証済み)
おそらくショートカットタイルだけの実態のないアプリだからでしょう。

2019/11/20追記

最近の流れとしてすべてのUWPを消す必要はなく、Windowsが標準で持っているUWPは残しても大丈夫です。電卓とか。
でもソリティアなどオンラインになることで追加されるアプリは阻害します。某メーカーのハードウェア用ツールがUWP化されていて阻害する例もありました。おそらく起動orインストールされる事で個別ファイルを作成するUWPが駄目なのだと思います。
OS純正UWPを残したい場合は、カットアンドトライをやって一つづつネガを潰す工程が必要になります。

WindowsStoreの無効化も必須ではないのですが、裏で半端にアップデートがかかることでSysprepを止めたりするので可能であれば停止するのが早道。

第二位 BitLockerがOnになっている

これは特にノートPCなど、TPMチップを搭載したPCへWindows10をクリーンインストールした際に起きます。特段有効化しなくても「準備しています」といって勝手にOnになるので。

これもsetuperr.txtにそれらしいフレーズが出るので判別は容易です。

対策

BitLockerの機能を無効化します。コマンドラインで以下のコマンドを実行します(ドライブの数だけ)

manage-bde -off c:

最近のSSDであればプレインストール状態から暗号化解除には数分しか掛かりません。
解除の進行状況は設定を開いてBitlockerで検索すると昔ながらの管理画面が開けて確認できます。

第三位 ウィルス対策ソフトなど

ウィルス対策ソフトに内包される、リアルタイム保護(検出)系のモジュールが原因になる事が多いです。
Sysprep直後の処理を無事にパスして一安心したら、再起動後のOOBEにて「コンピュータを構成できません」とか掴みどころのないメッセージと共に再起動ループに入ったり。

この系統の失敗はsetuperr.logに載りません。
ヒントもないため本当にわからない事もあります。

このまま直らないんじゃないか?と思えてゾッとしますよ・・・

対策

原因が確定できない以上、明確な対策はありません。

ただOOBEのステップでコケることがあったら、ウィルス対策系やイメージを固める自動リカバリ系のソフトは、一度アンインストールして試すのが良いでしょう。
それでもだめならMS系Adobe系以外の、Sysprep実績の無いソフトなどから消してカットアンドトライするくらいしか思いつきません。

というわけで

走り書き程度ですが、思いついたネタをまとめてみました。
上記以外にも「IEのプロキシを無効化したらOOBEでコケなくなった」とか「Sysprep時に参照するレジストリ(失念)を上書きしたら直った」なんてレアケースもあり、本当「Sysprepを殺して私も死ぬわ!」とか割と本気で思ったり。

冒頭に書いたとおりシステムの移行期間も残りわずか。みなさんの躓きが少しでも解消できれば幸いです。

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