知り合いがPCを組み替えたいという。
何に使うの?って聞いたら「動画の取り込みができてYoutubeが見えたらいい」という答え。
「なんでもいいが一番むずかしい。」
お題として難しいけれど、昔というお題なのだけど、ちょうどいいキットが目に入ったのでこれに決めてみた。
ASRockのMiniITXキットDeskMeet X600。
ASRock DeskMeet X600
大昔はShuttleなどで流行ったベアボーンキット。
今ではNUCに始まりIntel N100オンボードなどの低速・極小のPCが残るのみ。
でもASRockだけは価格もこなれていて、プラットフォームを選べるベアボーンキットをずっと出してる。
その中のDeskMeetシリーズは8Lのケース付きMiniITXマザーを使ったキット。ミドルサイズのビデオカード、3.5インチHDD搭載も可能だし、MiniITX規格だからある程度のパーツが選べます。冷却やコスト的にも有利。自作PCは小さくなるほど高くつくから。
今回はCPU内蔵グラフィック前提なので断然Ryzen。チップセットはAMD® X600。
IntelならB760になります。
- 7000から9000番代までのTDP65W AM5 Ryzen
- 4本のDDR5 DIMM
- NVMe x2(PCIe Gen5 x1,Gen4 x1)
- 2.5GbE LAN(RTL8125BG)
- SATA x3,USB Type-C x1,USB Type-A x2,DP1.4 x2,HDMI
- 500W 80+ Broze PSU
B760よりX600の方が機能的に優れている点もAMD有利。
ただ”X600″なんてチップセットはAMDのAM5チップセットリストにもなく、ググっても他の採用製品が出てきません。
おそらくベンダー用に個別提供されたX670の廉価モデルと思われます。
USBはフロントに3.0が2つ、2.0が2つ、USCが一つ。
裏にも2+2があってハブを使わずに十分なUSBデバイスが接続可能なのも使い勝手がいい。
グラボも20cmまでの2Slotモデルが搭載可能。
ミドルクラスのゲーミングPCも組めちゃう(けど排熱はキツそう)。
添付品はシンプル
ネジ一本でカバーをスライドして外せます。
添付品は500W電源に最低限のネジ類、説明書などシンプル。
コンパクトPCを組む際に悩ましい電源マッチングを考えなくていいので楽。
ケース自体の板金は廉価品の質感だけど、小さく軽いから組み上げたら問題なし。
一般的なMini-ITXマザーを搭載。
DIMMも4本あるし、NVMeは裏表に計2本のSlotあり。
後付でWi-Fiカード+外部アンテナ2本の増設も可。
我慢しなくていい一通りの拡張性をこの筐体サイズにおさめている事になります。
合わせるコンポーネント
X600に合わせて買ってきたパーツがこちら。
- CPU: AMD Ryzen 5 8500G
- SSD: Samsung 990 Pro with Heatsink 2TB
- Memory: Crucial 16GB DDR5-5600 UDIMM
- OS: Windows11 Home
CPU
AMD Ryzen™ 5 8500G デスクトップ プロセッサ
グラフィックス内蔵Ryzen5で一番安価なもの。
6コア12スレといっても6コア中4コアはIntelのEコアみたいな省電力コアらしい。
Ryzen AIにも対応はなし。
ただ内蔵Radeon 740Mはローレンジ外付けグラボに並ぶパフォーマンスがあるし、お値段2.5万というのがお手頃。
明確に性能要件がない今回にはこれでいいと思います。
SSD
Samsung 990 PROヒートシンク付き | サムスン半導体日本
今じゃProと言ってもV-NAND 3-bit TLCだから特段プレミアムではありません。
シーケンシャルリード 7,450 MB/s、ライトは6,900 MB/s。
動画取り込みや再生を重視するそうなのでここだけは信頼性重視にしました。
PS5狙いらしくヒートシンク付き。X600にはM.2クーラーが無いのでコチラにしました。
スリットが赤く光るデザイン。
5年または 1,200 TB TBWの保証付き。
メモリ
Crucial 16GB DDR5-5600 UDIMM | CT16G56C46U5 | Crucial.com
値段で選んだCrucial。
CORSAIRのメモリは信じていないので長くメモリブランドであるMicronに期待。
制限付無期限保証を謳います。
ヒートシンクなし、片面実装の超シンプルモデル
OS
昔はDSP版Windowを買っていたけれど、11から要件がキツくなってアップグレードが受けられなくなりました。
昔から正式にはそうだったのかもしれない。
だから一度キレイなものを買いましょう、という事で購入。
ただのライセンスキーが入った箱です。
組んでみる
ケースが小さいので取り回しよく組みやすい。
ただしCPUクーラーのサイズ条件はかなり厳しい。
全高54mmまででCPU付属のWraith Stealth Coolerで高さギリギリ。
Noctua NH-L9a-AM5やAXP90-X53 FULL – Thermalrightが使えそうだけど、冷却の変化は限定的。
ファンの回転方向が衝突しないか心配だったけれどこの電源ファンは外部吸気らしく、CPUクーラーはCPU側に吹き付けるトップフローなのでセーフ。
組み上げて電源を入れると、電源スイッチ周りに控えめな白LEDが1つ点灯。
ライティングPCの次のトレンドになりそうなミニマルPCとしても良いかと。
煩くしたい人は後付でDeskMeet アドレサブル LEDも追加可能。
BIOSセットアップでAuto Driver InstallerをEnableにすると、自動的にWin11起動時にドライバインストーラーが起動します。
いちいち集めなくていいのでこれは楽。
出来上がったPCは良くも悪くも普通ですが、低価格でコンパクトPCを確実に組める。
その点にDeskMeets X600の優位性があると思いました。
ケースとSSDにネジ1本づつしか使わないのも初心者に組みやすい。
こうなるとX600に限界ギリギリのハイスペックパーツを詰めるとかも試したくなります。