PCI Expressのレーン幅が10GbEの通信速度に与える影響の調査

PCI Expressのレーン幅が10GbEの通信速度に与える影響の調査

前回の記事の通り、10GbE NICの通信速度が、PCIeのレーン数によりどの程度影響を受けるか調べてみることにしました。
アクセスするクライアント側=ゲームPCはx8動作のx16 Slot2に固定していす。

x8

まずは両方ともx8フルスピードの状態。

Crystal Diskmarkでは9.4Gbpsの実効速度が出ています。

iPrefの結果は相変わらず。

x4

左下のディスクベンチマークに注目。
SEQ Q8T1(8命令の1スレッド シーケンシャル)のリードライト両方で速度が低下しています。

x8との比較でリードで68%、ライトで91%に低下。

ただ測定時に、x4のSEQリードだけが遅くなっていました(後述)
本来このテストではSEQリードとライトはほぼ等しくなると予想できます。
よっておそらくはリードも90%ほどの数値が適当と思われます。

もともとリミットに当たっていなかったSEQ Q1T1やランダムにはほぼ変化がないことも、注目すべき数値です。

SEQライトから実効値を計算すると、7.7Gbpsとなります。

x1

こちらもSEQ Q8T1の数値をまず確認。

x8比較ででリード34%、ライト39%に低下しています。
x4比較ではリード50%、ライト43%への低下。

またこれまで変化が無かったSEQ Q1T1についても、x8から82%、77%へ低下しています。
ランダムアクセスの結果に変化は見られませんでした。

SEQライトから実効値を計算すると、3.3Gbpsとなります。

あとがき

結論

結果をまとめると、x8からそれぞれ9.6G→7.7G→3.3Gと低下しました。
x4ならまあ我慢出来るかなー?と思いますが、x1で動かすと2.5Gとほぼ変わりません。

家のネットワークを2.5倍速くする。USB 2.5GbE 有線LANアダプタを2個買いました。

10G NICはちゃんとPCIeのレーン数を確保して装着しましょう!

いま時点では。
最新のPCIe4.0対応コントローラが出れば、レーン数はもっと少なくて済みます。

環境は厳しい

3.3Gbps=412MB/sなら、ソースディスクがSATA SSDでもLANがボトルネックになります。
そしてB550マザーのx4動作は他カードを犠牲にします。
すなわち10Gbpsカードは実質x8で動かさなければ価値をなさない、という事が判明しました。

これを改善するには以下のどれかの手が必要。

  1. リビングサーバもX570マザーにする
  2. グラフィック内蔵のCPU”Ryzen 3 Pro 4350G”にする
  3. 録画をUSBチューナー”PX-Q3U4“に変えて拡張カードを0にする

どれも高くつきますね・・・

数値の異常について

原因は不明ながら、初回のx8測定からx4まで、他の要因によりシーケンシャルリードの値が伸びませんでした。
再起動をしても、他のプロセスを見ても特定できず。

仕方なく続行したら、x1を測ったあたりから急に改善してしまいました。
よってx8だけ再測定したものを掲載しています。
(本当はx4も取り直せば良かった)

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