「CBのお金もらったからWi-Fi6ルータ買おうぜ!」
といって調べていた前回。
エントリーマシンを買ってWi-Fi6=IEEE 802.11axの普及を待つべきか?
と検討を始めたのに、結局ミドルハイクラスののArcher AX6000 | TP-Linkにしました。
決め手は
- 無線は8本のアンテナで家全体を1台でカバーしてくれそう
- 有線もインターフェイスが強力
- スマホアプリとAlexaからコントロール
果たして実際は・・・?
アンボックス
まずは到着した品を見てみます。
購入はAmazonで27,800円
お盆前後で値上がりしてしまい、買うタイミングが遅くなりました。
巨大な箱を開封。
ACアダプタ、LANケーブルと初期パスワードカードなど添付はシンプル。
パッケージから投げ込みまで日本語化されており、外国メーカーという不安は全くありません。
アンテナは8本もあり仰々しいものの、1本あたりは短め。
他のトップエンドモデルではアンテナが長く、従来の棚に高さが足りず収められない、という事もあります。
中央のプレート周りのみLEDで光ります。
状況に応じて何色かありますが、パターンは指定が出来ません(正常時はブランドカラー。OFFのみ設定可能)。
青いWANポートはマルチギガ2.5Gbps対応。
Wi-Fi6の現状の最高実効速度が1.5Gbps程度であることを考えると、2.5Gbps設定は良いバランスだと思います。
LAN側がコストの関係か1Gbpsなのは寂しいところ。
ただ、2ポートはリンクアグリゲーション(IEEE802.3ad)に対応。Intel ANSなどを使用すれば有線LANで2Gbps接続できます。
それを考えてもLANが8ポートあるのは安心。
USBポートは青い3.0。
Type AとType Cの2つ。Cの給電能力が高い設定になっているか、までは書いてませんでした。
各メディアサーバの他、Apple Time Machineにもなれます。
NUROにはDMZで接続
このルータの接続は、他サイトに習い「DMZに設定」する事にしました。
本来であればHUAWEI HG8045Qのルータ機能を無効化し、ただのONUになって欲しい所です。
しかし、HG8045Qはその設定が無いとのこと。
次善策として、HG8045QにてDMZ(Google検索)を設定。
AX6000のWAN側IPを指定し、「このIPの通信はHG8045Qは何も関与しませんよ」という構成にします。
AX6000にしたらWAN側は外部と思ってセキュリティを有効化するため、何の問題もありません。
昔からあったポートDMZではなくIPなので、多少のルーティングが入るけれどそこはやむなし。
我が家ではAX6000-HG8045Qだけ家庭内LANとは異なるセグメントを構成しています。
AX6000の”インターネット設定”を静的IPにし、デフォルトGWへHG8045QのLAN側IPを指定しました。
そうしてしばらく使ってみましたが、評価は今の所つけがたい。
そのあたりを書いていきます。
AX6000良いところ
操作しやすく多機能な管理画面
正確にはそんなファームウェアとGUI。
管理画面は実際にデモに入れますので、是非触ってみてください。
なんで他社はやってないかなー、とすら思うTP-LinkのGoodサービスです。
そんな管理画面からポイントをいくつか紹介します。
快適な管理画面
見やすく、レスポンスよく、変更後の再起動も最小限。
トップページには各ステータスがウィジェット式に表示され、状態をパッと把握できます。
HomeCare
HomeCare | TP-Linkはセキュリティ企業TrendMicroのサービスを埋め込んだ、半アプライアンス型のセキュリティ機能。
他のWi-Fiルータより一段高いセキュリティで守ってくれる。そんなイメージです。
「履歴」を押すと、過去の攻撃やイベントが確認可能。
CVEでも公開されている脆弱性攻撃が実際に我が家にも来ている。それを実感できます。
わかりやすいQoS
どの製品にもあるQoS。
実際同じことはBUFFALOにもできますが、UIは数段こちらが上。
ゲームを優先したり、バランスをとったり。
アプリケーションレベルQoSの他、デバイス別QoSも実際の通信量を見ながら簡単に設定できます。
スマホアプリ&Alexa連携
初期セットアップはTP-Link Tether – Google Playで完了します。
SSIDやIPなど各種設定がスマホで行えます。
今回は接続が特殊だったので全部とはいきませんでした。ただWeb管理画面の7割くらいの事はできます。
アプリのホーム画面。
スピードテストも組み込まれていて、ルータ単体で速度測定できるのはGeekにいいですね。
他に便利な機能として「接続アラート」があります。
新しい想定外の接続や、指定MACデバイスの死活監視をスマホにプッシュ/メールで通知してくれます。
監視カメラなどのセキュリティデバイスの監視をしてくれるのが良いですね。
また、期待していたAlexa連携。
Alexa: TP-Link ルータースキルを有効にすると、声だけで一部の設定が変更できます。
• アレクサ、ティーピーリンクを使ってゲストネットワークをオンにして
• アレクサ、ティーピーリンクを開いてゲームを優先させて
• アレクサ、ティーピーリンクを開いてスピードテストをして
一番使えそうなのゲストネットワークのOFF/ON。
妻の端末にTetherアプリは入れていませんが、これなら本人が来客時だけON/OFFできます。
調子悪い時の「再起動して」はボイスコントロール非対応。
AX6000の悪いところ
意外と狭いカバレッジ
この姿に家全体をカバーするような強力なカバレッジ(電波範囲)を期待して購入しました。
実際HG8045Qと同じ2Fに設置してみると、「多少強いかなぁ?」という程度。
一階の洗面所やお風呂場では5GHzが弱く、2.4GHzの低速で繋がってしまいます。
特に敷地の境界にある防犯カメラはかなり不安定。
メーカーではAX6000のアンテナパターン(電波が本体からどの方角に出ているか)を公開していません。
ただおそらくは多くの家庭で1Fに設置されることを想定し、装置横と上面を強化しているものと思います。
2Fに置くと、装置の底面からの電波を期待する事なります。
そうなると天井に逆さまに固定するしかない!?
まあそういう訳にもいかない(WANやLANのケーブルあるし)ので、結局1Fの物入れに設置し、電波は改善しました。
2Fには無線機器が少ないこともあり、この配置なら家全体がカバーされたと感じます。
せっかくの立派なルータが見えない事。
LAGを組む相手も居ない、1Fの物入れ行きになった事。
この点が残念。
使い始めが不安定?
これが未だAX6000の評価を決めかねている点です。
無線機能に「スマートコネクト」というものがあります。
これは2.4GHz帯、5GHz帯共通でSSIDを1個にし、ルータの方で最適な帯域にデバイスを割り当てるという物。
この機能を有効化し、一生懸命全ての機器を一つのSSIDに振り直しました。
シンプル!
もう二重管理しなくていい!
しかし、しばらく使っているとなにやら怪しい。
使い始めの1発目に未接続となるデバイスがポツポツいます。
インターネット接続がありませんというAmazon Echo,再接続ボタンを押すとつながるLGのテレビ。
布団で目覚めた時に開くスマホのInstagram。
原因がスマートコネクトにあるのか、それとも省電力にあるのか分かりません。
でも切り分けのためにまた全装置のSSID変更したくない・・・
AX6000は80点かな
ということで大部分は素晴らしいのだけど、無線ルータとして根幹の部分に疑問符が残るのが今のAX6000です。
上に書いたことがなければ「もう日本勢無理だわ」とバンザイしたくなる良い製品なのですが。
日本勢はそういう安定性に万全を尽くす。海外勢はまずはサービスインから始める。
そんな具体例がルータにも見て取れます。
最後に一つ、速度に関して情報です。
セキュリティで重くなりそうなHomeCareをONにして速度測定を行いました。
結果通信の低下は見られませんでした。
CPUの帯域に余裕があるのでしょう。
また「敵はサーバ遅延」という何と戦うかわからないMMO RPG”ブレイドアンドソウル”。
こちらはゲーム内Ping(100ms切ったら速い環境と言われる)が最短110ms前後から80ms前後まで改善しました。遅い時はもちろんもっと遅いけど。
「やっぱり速いルータって効果あるんだ。」
そう感じられた事はこの製品を選んだ効果の一つです