Intel HD グラフィックス 620が34型ウルトラワイドディスプレイに最大表示できない問題

Intel HD グラフィックス 620が34型ウルトラワイドディスプレイに最大表示できない問題

どこの誰がとか不要な情報はさておき。
タブレットのIntel内蔵グラフィックで34インチウルトラワイドディスプレイを使おうとしたらうまく動きませんでした。

その試行錯誤の過程をここに記します。まとまってないのでログとしてご利用ください。

対象と問題

PC:i5-7300U=Intel HDグラフィックス620

Intelの第7世代 Core i5-7300Uを搭載したWindows10タブレット(Build 1809)。
このCPUの内蔵グラフィックスはインテル® HD グラフィックス 620

インテル® Core™ i5-7300U プロセッサー (3M キャッシュ、最大 3.50 GHz) 製品仕様

620のスペックは以下の通り。

  • グラフィックス ベース動作周波数300 MHz
  • グラフィックス最大動的周波数1.10 GHz
  • グラフィックス・ビデオ・メモリー最大容量32 GB
  • グラフィックス出力eDP/DP/HDMI/DVI
  • 4K サポートYes, at 60Hz
  • 最大解像度 (HDMI 1.4):4096×2304@24Hz
  • 最大解像度 (DP):4096×2304@60Hz
  • 最大解像度 (eDP – 内蔵フラットパネル):4096×2304@60Hz

ディスプレイ:アイ・オー・データ LCD-GCWQ341XDB

アイ・オー・データのゲーミングディスプレイライン「GigaCrysta」に属する34インチウルトラワイドのUWQHD対応ディスプレイ

LCD-GCWQ341XDB | ゲーミングモニター「GigaCrysta」 | IODATA アイ・オー・データ機器

最大解像度である3440×1440の表示モードは以下の2種。

表示モード水平周波数(kHz)垂直周波数(Hz)DisplayPort
(USB Type-C)
HDMI
3440×1440114.275.8
88.860.0

※PCからの信号は全てノンインタレースである必要があります。

問題

「PC側が4K60Hz の対応を謳っているのに、接続時に3440×1440が選べない」

選べるのは2560×1440 60Hzが最大。Dot by Dotではあるけれど、両サイドに盛大な黒帯が残ります。

試したこと

その1:グラボドライバ更新

現時点での最新ドライバを適用してみました。

ダウンロード インテル®グラフィックス-Windows® 10 DCH ドライバー

→効果なし

その2:HDMI EDIDの変更

これはすごく効果ありそう!

解像度、色数などの画面モードの変更が行なえないのですが?|Q&A | IODATA アイ・オー・データ機器

・HDMI接続の場合、HDMI1ポートに接続します。
接続後、液晶ディスプレイのメニュー操作にて、
「HDMI1 EDID」の項目を「2.0」に変更してください。

→効果なし。そもそもLCD-GCWQ341XDBにはそんなメニューがなかった。

その3:DDC/CIの切り替え

PC<>ディスプレイ間での情報がおかしいのでは?
という事で、ディスプレイのOSDからDDC/CIを変更してみる。

→効果なし。もともと有効化されていて、OFFにしても変化なし。

その4:ディスプレイファームウェアアップ

LCD-GCWQ341XD アップデートファイル | サポートライブラリ

Ver.1.00 → Ver.1.012019/11/27
:Ver 1.01: OSD表示名称[191105-52]

→もともと最新だった・・・

その5:拡張デスクトップにする

ディスプレイの解像度を大きくするにはどうすればよいのでしょうか?

クローン・モードに設定されている場合は、拡張デスクトップ・モードに切り替えます。

→効果なし。まあ最初に試したけどね・・・

試さなかったこと

検討のみ。

EDIDの偽装

PCとディスプレイがお互いの表示環境情報をやり取りするEDID。
それを手動で明示して固定するという方法。

EDID 情報固定設定 簡易マニュアル – エルザジャパン

http://www.elsa-jp.co.jp/html/multi_display/elsa_edid_setting_manual_v1.0.pdf

NVIDIAじゃないとできないみたいでボツ。
そもそもNVIDAだったら他にツールとか色々あるよね・・・

他社のモニターinfを入れる

当初モニターの認識が「汎用PnPモニター」なのが悪いのかと思い検討。
しかし「インテルHDグラフィックスコントロールパネル」ではLCD-GCWQ341XDBが正しく3440をリストに載せていたので、PC側の問題と判明しボツ。

そもそもアイ・オー・データ的にはそれで合っているらしい。

ワイドサイズの解像度に設定できないのですが?|Q&A | IODATA アイ・オー・データ機器

デバイスマネージャの「モニタ」に、以下いずれかの名称で認識されているか
ご確認ください。

・[プラグアンドプレイモニタ]
・[汎用PnPモニタ]
・[I-O DATA LCD-xxxxxxx]    ※ xxxxxxx はお使いの製品名

最終的に

インテルのグラボツールにて「カスタム解像度」を作成し、限界周波数を総当り的に探したら動きました。

インテル® グラフィックス・ドライバーのカスタム解像度とカスタムモード

当初から3440×1440 60Hzは試していたものの、「カスタム解像度が最大帯域幅を超えています」の一点張りで設定できず。
まさかと思ってドライバ更新後、3440×1440 30Hzまで落としたら無事設定>表示できてしまいました。

そうなると疑問が一つ。
その「最大帯域幅」というのは何で決定されるのか。

グラフィックチップもディスプレイも対応しているのに、正規のUWQHD 60Hzが通らない。となると別の何かが最大帯域幅を下げてしまっている可能性が高い。
EDIDをやり取りしてる間に「あ、これダメだわ」ってなってるんでしょうか。

残りはケーブルくらいしか思いつかないので、手持ちの3種類でそれぞれテスト。
MicroHDMI<>HDMIケーブルです

  1. Aliexpressで買ったマイクロ HDMI ケーブル 2m:3440×1440 32MHzまで
  2. ASKULの硬い5m HDMIケーブル+Micro変換アダプタ:同34Hz
  3. Amazon Basics MicroHDMI 1.8m:同40Hz

ケーブルにより僅かながらも差がついたのは面白い。
それでも40Hzが上限となると、まだまだ足りない。何か他の要因がある気がします。

ちなみに同タブレットと1.のケーブルを使って、Predator X34 | acerではUWQHD表示が普通にできています。
うーん、HDMI 2.0の製品で揃えたらまた変化があるんだろうか。

2020/02/25 追記

朝の通勤で書いた記事を眺めながら再考していると、重大な見逃しに気づいた。

  • 最大解像度 (HDMI 1.4):4096×2304@24Hz

HDMI1.4でしかも4Kの時は24Hzってちゃんと書いてある!

どうやらチップとしては対応していても、4K60Hzが出せるのはDisplayPortのみ。HDMIでは規格の制限から、上記が最大というのが最終回答です。

よく見たら1.4のSpecとしてWikipediaにも書いてあったのだけど、対策ばかりに目がいって仕様を見逃してました。

4Kより少し画素の少ない分、3440はリフレッシュレートが上げられたけど、計算上は出ても45Hzで限界を迎えるようです。

まあ疑問に思いながらHDMI2.0ケーブル探さなくてすみました。

4 thoughts on “0

  1. フィリップスの499pでも同様の症状で困っていました。
    解決に近づいて大変助かりました。貴重な情報ありがとうございました!

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