ずーーーっと替えたかったDACをAK4490使用の中華DACにしました。
今USB DACって何買えばいいの?
今はPCM2704
これまで長く使い続けた雑誌付録のUSB-DAC LXU-OT2。
http://dolls.tokyo/%e3%81%82%e3%81%aelaxman%e3%81%aehpa%e3%81%8c%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%81%8f%e3%82%8bstereo-20131%e6%9c%88%e5%8f%b7%e3%81%8c%e5%b1%8a%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f
TiのPCM2704という数百円のDACチップをLUXMANの中の人がいじったる!という雑誌企画。
素直な良い音ですが、どうも鮮やかさにかけるというか、もっとインパクトのある音が欲しいと思えてきて。
そこからダラダラ調べていたらいつの間にか数年経っていました。
今のローコスト品トレンド
性分として最高音質よりも高コスパ品が好きなので、ローコスト品を中心に調べ直してみました。
- 昔はAmazonかeBayで買うのみ→今はAliExpressやBanggoodでも買える
- DDC(USBインターフェイスチップ)はXMOSがほとんど。高級機に一部Amanero。
- チップはES90xxが多数、数年前からは旭化成のAK449xが勢力拡大
1.は販路の拡大というか各ECサイトのグローバル化が進んできたからだと思います。AliExpressやBanggoodなどの中華系サイトなら、OEM元のセルフブランドが直接出品されていて、かなり安く買えます。
2.のXMOSはDSDなどハイレゾ再生時代になってからはほぼ必須になったチップ。昔はこれだけで1万円もしたため、中々手が出ませんでした。それが今や2~3000円。このおかげでI2S接続で繋ぐ各種DACが一気に選択肢に入ってきました。
頭の中が「USB DACはUSB直結」時代(というか当時のバーブラウン製品)に取り残されていたため、今のDDC外付けの流れが新鮮でもあります。
3.はESS TechnologyのES90系、特にES9018の採用が多いですね。そこに旭化成エレクトロニクス(AKM)のAK449xシリーズを採用する商品が一気に増えました。おなじみTIのPCM179xもポツポツと見えますが、採用は少なめ。DSD17xxシリーズが広がったりするんでしょうか。
選ぶなら
調べた事をまとめると、「”XMOS+今のDSD対応チップ”という形をならあとは予算次第」という結論に達しました。
ES系ならE9018をベースとしてDSDの周波数に合わせES9028,ES9038(PRO)という選択肢があります。AK系ならAK4490をベースとしてAK4495,AK4497というラインナップがあります。
ただ、どのチップにしても「音質を決めるのはチップではなく回路構成」という話が大多数。あくまで最低限の回路にポン付けしたらチップ順になるかも?という程度。AK4497だけを祭り立てて消化不良している製品を買うなら、AK4490でメーカー想定の音を聴いてみたい。
AKの音を聴いてみたい
というわけで、ESをふってAKに興味が湧きました。だって日本メーカーのDACチップなんて嬉しいじゃないですか。
ハイエンドのAK4497は中華サイトですら高いので、狙いはエントリーのAK4490。これでAKの音が気に入れば、ゆくゆく4495や4497の製品を探してもいいかもしれません。
D6 DSD DAC 2019 MUSES8920 OP-AMP Edition
そうして決めたのがこれです。
AliExpressで6,732円にて購入。
AliExpressは初利用ですがアプリも日本語化されているし、到着までのトレーサビリティも高い。何のトラブルも無く受け取れたため、これまでの失敗サイトを含めて今一番気になるECサイトです。
ブランドはLeafAudioというらしい。XMOSのためのドライバCD、USB>DCプラグ電源ケーブルが付属。DSD,PCMの動作モードと周波数が青色LEDで表示されます。
製品はRCA出力、ヘッドホン出力を備えつつAK4490最安というのがポイント。フィルムにマジックで書き殴られた”8920″に???だったけど、多分オペアンプのモデル表示。
PCとはUSB TypeBで接続し、電源は極細ACジャックで5Vを供給します。左のスイッチでセルフ/バスパワーを切り替え可能。
カバーを明けて中身を確認。
整然とXMOS、AK4490が実装され、オペアンプはJRCのMUSE8920が確認できます。
実際にセッティングしてみたところ。
片側にヘッドホン端子とRCA端子が寄ってしまってるので収まりは悪い。
ドライバ
ゲームや動画、その合間に聴く音楽がメインなので、foobar2000やASIOモジュールは入れません。
ツルシで出るすべての音が勝負!
Windows10は特定アップデートから、高ビットレート対応できるようにUSBドライバがアップデートされています。
とはいえ、チップメーカーの物があるならそれを使うのが無難だろう。ということでXMOSの純正Class Driverだけインストールしました。
XMOS Stereo USB Audio Class 2 ドライバーで DSD 再生
XMOS の xCORE-200 シリーズマルチコアマイクロコントローラ XU208 を使ったドーターボードで DSD を再生するために Windows 10に XMOS Stereo USB Audio Class2 のドライバーをインストールします。XMOS Stereo USB Audio Class2 ドライバーのダウンロード元はここからで、最新のドライバは v4.13でしたが何となく v3.34をインストールしました。
期待の音出し
最後にいよいよ音出しです。
試聴した音源
いつものアルバム3種類ほどで比較。
- 森 – AM toPM より Bosque Inmenso
- Morelenbaum2 / Sakamoto – A DAY in new yorkよりヂザフィナード
- Diana Krall – The Very Best of Diana Krall より Fly Me To The Moon
感想
LUX=PCM2704と比較したAK4490の一番の印象は、「中高音が緻密で描写力が高い」です。聴いた瞬間「これがハイレゾを鳴らすDACか!」とCMみたいな感想が頭に浮かぶくらい。
細かく聴いていくと、低域は余韻まで綺麗な締まった響きを持ちます。それほど太くはないけれど、長大ではなく必要十分。自分好みです。
中域は先に書いたとおり、音の波形までイメージできそうな高い描写力を感じました。少し緊張したようなハリのある音です。ライブ音源の空気感の表現は得意な部分でしょう。
高域も中域と同じ特性でクリアで明瞭。アタックが強く、聞いた瞬間「おおっ」と思いました。ただ少しヒスぽいというか、乾いてしゃがれたように聞こえる事があるのは気になります。ツヤはあるのだけど、雄大に響くわけではありません。
つまり最「緻密で緊張感を持った、引き締まった音のDAC」というのが私の感想です。
使うなら断然セルフパワー
セルフパワーをバスパワーも比べてみました。
セルフは余っていたモバイルバッテリーから供給。これならクリーンだし、バッテリーを切ればDACのOFFもできます。
音は自分でもわかるほどの差でした。バスパワーは明らかにノイズフロアが高く、全体にぼやっとします。セルフと比べて厚めの膜が全てにかかったよう。このDACの特徴の緊張感が薄れてしまいます。
まさにハイレゾサウンド
購入から一月ほど経って記事を書いていて、音にはとても満足しています。
高域のピーキーさみたいなものは気になるけれど、大抵のソースではクリアで緻密な音となって聞こえてきます。ここはメーカーが本気でチューニングしたAK449x DACも聴いてみたくなりました。
暫くはこれを使ってみて、ESに浮気するかAKグレードアップか、ゆっくり考えてみます。
2020/02/13 更新
同型のものはすでにAmazonではディスコンでした。
こちらの製品がお手頃そう。
AK4497も少しづつ値下がってきた感あり。