集めたパーツでマシンを組み上げWindows10Proをインストールしました。
そこでのハードウェアツールの使用感、ベンチマークの結果などを書いていこうと思います。
Mini-ITXに外部水冷のスタイル
CPU,メモリを組み込んだM/BをThermaltakeのCore V1に搭載。
Gigabyte Z370N WIFIはWi-FiのRP-SMAコネクタがバックパネルに固定されており、余計な結線の手間がありません。
SSDも2.5inchからNVMeになった事で、M/B自体に接続されるケーブルは一気に減った感があります。
ただし電源スイッチなどの細々したフロントパネル配線を、一度まとめてからM/Bに挿せるヘッダピンが付属しないのは残念な点。
メモリを搭載するとM/Bにはかなり挿しづらく、そこでマニュアルPDFを見比べながらケーブルを1本1本挿していくのはなかなかに面倒した。コストカットの一貫なのでしょうけど・・・。
CPUはあいも変わらずZALMAN Reserator 1を使った外部水冷を踏襲。
使わなくなったグラボ用水枕を取り外し、ホースの長さを調節するなど、なによりも手間がかかりました。
そろそろ簡易水冷CPUクーラーが欲しいなぁ・・・。
そんな不便もある外部水冷でも、高負荷時の静かさ・冷却力を見てしまうと手放せません。
またこの時期だけのメリットとして、椅子に座りっぱなしで冷える足をホースに乗っければかすかな湯たんぽ効果を感じます!
足型にかたどったラジエターがあれば冷媒(足)と熱源(温水)で熱を交換しあってWin-Winに違いない。
OS上でのツールが一新
Gigabyteの付属ツール
ASUSの「AI Suite」と同様、Gigabyteで複数のツールを束ねるのが「App Centor」。付属DVDからインストールすると必須なものからゴミっぽいものまで沢山インストールされます。
OC全般をコントロールする”EasyTune”
流行りのワンクリックOCやCPU,メモリに別れたOCなどが設定できます。
OCツールとしてこれの他、Intel Extreme Tuning Utilityもインストールされます。ストイックな作りでよりパラメータを細かく設定できそう。基本OCはしていないけど実用限界を確かめておくのもいいかもしれない。
ファンコントロールとセンサー監視を行うのが”SIV”。
期待できるデザインなのに現在うまく動いてません。
CoreV1に付属の3pin20cmファンを繋げるとスピードコントロールできない。おそらくPWMモードになると思うのだけど、回転の停止もできないし、残念な仕上がりです。
「調整」を押してもキャリブレーションで上手く回転数を取れていません。4pinファンなら問題ないという事でしょうか。
”RGB Fusion”はLED設定ツール。
発光ギミックについては別記事にまとめるつもりなので今回は割愛。
Corsairの統合管理ツール “Corsair LINK”
今やメモリベンダーから総合PCパーツメーカーと化したCorsairの統合管理ツールも入れました。
VENGEANCE RGBのコントロールの他、自社製ケースのレイアウト表示やグラフ機能があります。知りたいステータスがコンパクトに表示されるため、実はGigabyteのものよりも見やすい。
ベンチマークの結果
の4つの項目を計測しました。
特段ベンチ向けの設定はせず、いつも使ってる状態のまま計測しています。
実はCPU&GPUはあまり変化なし
旧環境(Core i7-4790K,GTX1080,Mem16GB,SSD RAID0)との比較は以下の通り。
Z97 + Core i7 4790K | Z370 + Core i7 8700K | |
3Dmark – TimeSpy | 6700 | 7352 |
PCmark | 6400 | 6256 |
FFbench(3440 x 1440) | 10400 | 10450 |
FFBench(1920 x 1080) | 14600 | 15728 |
3Dmarkで9%、FFBench(1920 x 1080)で7%程度の伸びがあります。それにしても動作クロックが下がってるとはいえ、PCmarkもFFbench(3440×1440)も変わらないって辛い(‘A`)
Cinebench – MAXONやWatch Dogs 2 – ウォッチドッグス2 | Ubisoftの様なマルチコアをバンバン生かすようなベンチ・アプリでないと差は出にくいようです。
反面ディスクアクセスはかなりUP
今回の入れ替えで一番体感できたのはディスクの速さ。
まず入れ替え前のSATA SSD,Samsung 840 Pro x2(RAID0)のベンチ結果から。
■書き込みキャッシュバッファのフラッシュ:有効 キャッシュモード:無効(デフォルト)
そして今回のM.2 NVMe SSD,Samsung 960 EVO MZ-V6E500B/IT(シングル)の結果。
RAID0と比較しても1.25倍~1.6倍の速度アップという結果が出ました。MLC NANDからTLC NANDになったにもかかわらず、シングルドライブでかなりの性能向上です。
以上の数字は古いベンチマーク「CrystalDiskMark 3.x」での数値。
実際NVMe SSDの数字を見るためには最新の「CrystalDiskMark 6.x」を使わなくてはならないようです。
一番スコアが出ている”Seq Q32T1”にてカタログスペックのリード3200MB/sを記録。ライトは少し遅く1600MB/sとなりましたが256GBモデルの1500MB/sは超えてるので良しとします。この項目はブロックサイズ128KBで32命令を1スレッド(処理)で実行するものです。
体感でもブレソのロード時間は大幅に短縮されました。Windows10のロード画面もほとんど表示されません。正確には画面の切り替わり処理に時間がかかるため、より短く表示されてるのだと思います。
一番プラットフォームを代えてよかった、と実感できるポイントがディスクとは。
連続動作中の状態を測定
温度
室温が約20℃の部屋にて1時間ほどブレソをプレイしてから放射温度計で測定しました。
ファンは本体前面の20cmケースファン1個だけ。800rpmで回し音はかなり静かな状態。
メモリは43.1℃。
ヒートシンクが大きく、ケースファンの風をモロに受けるので割りと冷えています。
次にM.2 SSDを挟んでいるチップセットヒートシンクを測定。
52.1℃とケース内では最も高温になっていました。
背の高いメモリやグラボに囲まれた窪地になっており、ファンの風が直接あたらないため放熱には厳しい場所です。それでもサーマルスロットリングは起きておらず、むき出しで搭載されるM.2 SSDよりも安定しそうです。
消費電力は増えたけれど
電源ユニットはAntec – EA-550 Platinum。
過去行ったIntel Core i7 4790Kの計測結果と比べてみましょう。
Intel i7 4970k + Z97 | Intel i7 8700k + Z370 | |
電源OFF | 4W | 4W |
デスクトップ表示アイドル | 74W | 55W |
TS→MP4エンコード | 195W | 135W |
ブレイドアンドソウル | – | 195W |
エンコード + ブレソ | – | 260W |
同じことをすれば7700kよりも低く、最大消費電力はより高く、といった結果です。
エンコードもゲームも一つだけではCPUを使い切る事ができず、両方をあわせてなんとか下の負荷状態にして計測しました。コア&スレッドが増えたことで、CPUとしてのキャパはかなり広がった結果でしょう。
ネットを観ているだけだと暇すぎるのかクロックは0.98GHzまで下がります。ほぼ片手間仕事。
一週間使ってみて
一番の感想は「思ったほど速くはならなかったなぁ」。
3年を超えた入れ替えなわけですから、もうちょっと進化を感じたかった。たとえ体感できなくてもせめてベンチマークだけは、と思っても今ひとつ上がらないし。実用上はCore i5 8600Kで構わないハズなのに、「同じ最上位グレードを」と選んだ自分としてはちょっとがっかりです。
それでも入れ替えて良かった2つの点があります。
- 圧倒的なSSDの速度アップ
- M/Bを中心としたLEDイルミネーションの導入
M.2 SSDの利用は長らく待ち望んでいました。Z97I-PLUS ももとはM.2 SSDの利用を睨んで買ったのに、結局速度が10Gb/s止まりな為に乗り換えは保留。ただM.2 SSDも当初はUEFIとの相性問題などもあり、黎明期を経て成熟した製品を使えた事は良かったと思っています。今までのSATA SSDと同様に扱え、速度は段違いで配線もなし。満足です。
あとはLEDイルミネーション。
「PCを光らせる」ということには賛否両論ありますが、今の自作PC市場=盛り上がってきているゲーミングPC市場はLEDイルミネーションが大きなファクターであることは間違いありません。
当初は各デバイスベンダーが自社のコントロールツールで点灯制御をしていました。それが今ではMSIのMystic Light SyncやASUS Auranなどマザーボードベンダーが各デバイスベンダーと手を組み、共通APIでライトコントロールを行える仕組みを画策しています。
この流れにはM/Bを乗り換える事でしか乗れません。我が家にも光るデバイスが増えつつ有る今、今自作PCでのブームにの買ってみたいと思っていたわけです。
Gigabyteは後発っぽいですがGIGABYTE – RGB FUSIONというブランドを展開中。今回のZ370Nにも搭載されています。次のPC記事はそのあたりを少し書くつもり。
Gigabyte Z370N WIFIはMini-ITX M/Bの中では廉価なプロダクトですが、Dual Intel NICでチーミングが組めたり、LEDイルミなど遊び機能も拾い上げている高コスパM/Bの筆頭でしょう。惜しむらくは付属ツールがもうちょっとマトモに動いて欲しい。
それにしても6コア化なんて大きな変化は、過去を見ると新しいCPUソケットと同時に実施されてきました。それが次は刷新されるであろう短命のLGA1151ソケットに下位(過去)互換を捨ててまで投入されたことは異例です。
これには少なからず好調だったAMD Ryzen陣営がIntelの焦りをかきたてたのでは?なんて邪推してしまいます。
そしてそう思っていてZ370に飛び込んでしまったワタクシ。この一代限りのプラットフォームはいつまで使えるんでしょうかね。