初代iPod Touch(iOS3.1くらい?)に初めて触れてから鬱々と積り固まったiOS日本語変換への不満が氷解する日がやって来ました!!なんて最近は純正日本語変換も大分良くなり不満も少なくなりましたが、それでも一部ユーザーは待ち望んでいました。ATOK for iOSの登場を。
貴社の記者が汽車で帰社した(ドヤァァァ
#atokios #
— ぶっちー (@guys_dolls) 2014, 9月 22
頑なにサードパーティを拒んでいたApple
公開当初からIME(日本語変換プログラム)を自由に選べたAndroidに比べ、AppleのiOSはずーーーっと純正IMEしか認めて来ませんでした。iOS4あたりのなんかはもうホント馬鹿でバカでネタにしかならないような度し難いIMEでしたが、「iOSには唯一つ」とする事で日本語入力に関するトラブルを軽減してきた思います。
そして文頭に書いたとおり、iOS6あたりからかな?日本語開発チームのおかげで違和感なく使えるレベルになりました。
そうして今回、AppleがiOS8でサードパーティ製IMEの使用を解禁。自分が小学生になるずっと前から日本人の文章作成を支えてきたATOK(昔は一太郎ってアプリの付属ツール的扱いでした)が、メモアプリではない単独のIMEとして発売されました。
感動!もつかの間・・・
ATOK for iOS
カテゴリ: ユーティリティ, 仕事効率化
ATOK for iOSは\1,500(発売当日価格)。決して安くはありませんが、ずっと待ってたし期待を込めて盲目的に購入しました。そして早速iPhoneやiPad airで使って見ると色々問題が・・・
一部TwitterクライアントやLINEで不具合
不具合は仕方がない様なものから致命的なものまで。
パターンは大きく分けて三つあります。一つはUIデザイン的問題。iPhone版Instagramなどそうですが、文字入力欄とキーパッドが被ってしまい入力が困難になります。二つ目はアプリが入力欄をカスタマイズしている場合の問題。TweetbotではATOKで入れても文字が入力されていると感知されず、ツイートボタンが押せるようになりません。又、タグや人物機能など入力欄が変更される機能ではATOK側が入力不可になります。3つ目はアプリとしてのハング。発生条件はわかりませんが、LINEなどを使用中には突如入力が出来なくなります(改行やIMEの変更は効く) 。しかも普通のアプリの様に終了が出来ないのでiPhoneを再起動するまで復帰しません。これは致命的。
元々公式ページにも
- 他社製キーボードの使用を許可しないアプリではATOK for iOSはご利用になれません。
- パスワード入力エリアなどでは一時的にiOS標準のキーボードに切り替わります。
- ハードウェアキーボードによる入力は、他社製キーボードには認められていません。
と書いてあり、対応外の部分もあるかとは思います。ただし3つ目の問題は大きく、バージョンアップによって安定化されない限り使い続けるのは難しいでしょう。
辞書が連携されない
片方のデバイスで辞書登録をしても、他のデバイスには反映されません。純正IMEでは勝手に同期されるだけに、少し面倒ではあります。自分はiPhoneの他iPad Air,iPad miniを切り替えて使っているので、3台バラバラというのは面倒臭い話です。
また、純正IMEからの変換ツールなども入っていない為、登録は手作業になります。せめて純正IMEが何らかの方法でリストを吐き出せたらよかったんだけれど。
良いこともある
アプリとして外部との入出力で問題が出ていますが、「これはいい」って部分ももちろん。
やっぱり優れた変換エンジン
変換効率はやはり純正IMEを超えてると感じます。変換候補の提示→正解率はPC版ATOK10位じゃないかと思いました。今のATOKほど完璧にサジェストしてはくれないけれど、9割は間違いなく出てくるかな?というあくまで気分的な印象。
この記事も大半をWordPressアプリ+ATOKで入力しており、iPadを横置きにした時はキータッチさえ間違えなければ長文もすらすら。純正IMEがつけることを拒んだカーソル移動キーも使いやすいです。
欲を言えばキーレイアウトの変更機能が欲しい所でしょうか。何でも対応してきて巨大化してきたATOKですから、iOS版もそれくらいのコダワリを見せて欲しい所。スペース変換派の自分には「次候補キー」の位置が悪くて間違えて押してしまいます。
PCの単語登録を引き継げる
辞書が連携されないことに絡みますが、単語登録は実ファイルでエクスポート、インポート出来ます。
これを使ってデバイス間で辞書登録を引き継げるほか、PC版ATOKがエクスポートした単語一覧もそのまま取り込めました。
これで大昔から脈々と引き継がれてきたウナギのタレみたいなPC辞書をiOSへ引き継げます。
なおPC版の単語一覧はSJISで出力されますが、iOS版で吐き出されるファイルはUTF-8でした。合わせたほうがいいでしょう。
定型文が出せる
プレビューしやすい定型文機能がついています。
オレンジで囲んだボタンを押すと出てきます。
純正IMEでは単語登録に入れるしか無かったので、あまり長文は入れづらい所でしたがこれで安心。
あと半年の辛抱?
何かの記事で「何よりiOS8の公開に合わせる事を(完成度を上げる事より)優先した」と書いてあるのを見ましたが、まさしくその通りの状態。メジャーなアプリでの動作チェックはしてなくは無いんでしょうが、それこそIME側では待ったところでどうしようも無かったのかもしれません。
ただ上に書いたような問題が直らないかぎり、純正IMEの「日本語-かな」をキーボード設定から外せる日は来ないと思います。会員登録も勧めてきますし、ATOK Sync アドバンスへの対応も今後期待したいところ。
ここまで数年も待ったじゃないですか。あと半年くらい待ってみましょうよ、という事でそっ閉じ。