「Stereo8月号」の付録2wayスピーカー”シリーズも第四回目。いい加減諦めてとうとう専用のスピーカーBOXを作成しました。
設計
基本的に数値は試作したダンボールSPボックスと同一。ただし、ウーファーを下、ツィータを上の標準的レイアウトにします。材料は9mmのMDF板とダクト用に内径30mmの塩ビパイプ(VP管)。板厚が増えるため、少し奥行きを拡大して容量を確保しています。Sped上での計算では内容量4.59L。
構造は通常のシングルバスレフ型に戻しました。ダブルバスレフは必要容量が増えるためデスクトップに置くのが辛くなる事、計算が複雑で必ずしも効果が得られるわけではない事から見送っています。
MDFは1200mmx500mmもあればペア分で作成可能。ただ近場ではサブロク板(1820x910mm)のみの取り扱いでした。1枚2,380円。直線に切る必要があるため、ほとんどを工作室でカットしてもらいました。
あとはスピーカーケーブル少々と安いスピーカーターミナル、吸音材として熱帯魚用のフィルターろ過材を用意しました。
制作
フロントバッフルは自宅でジグソーを使って穴あけ。ツィータが62mm、ウーファが77mmです。どちらもネジ穴との余裕はあまり無いので慎重に。
仮組みした後、速乾タイプの木工用ボンドで接着。ハタガネは無いので相変わらず楽器ケースを重石にしてます。余った端材は細く切って補強として追加しました。
朝から作り始めて夜にはペア完成。
速乾タイプは乾くと黄色くなるので、見える部分にはみ出た場合はよく拭き取りましょう。従来タイプならより透明に近くなるので気になる方はそちらで。
内部配線はAmazonベーシック 16ゲージ スピーカーケーブル。ツィータのコンデンサは1uFに戻し、逆相から正相に繋ぎ変えました。
完成
片側面をマスキングテープで仮止めして完成(吸音材調整のため)。
バスレフポートを間違えて10mm大きく開けてしまった(ノ∀`)ため、急遽コードをパイプに巻きつけ、パッキンの様にしてバッフルに差し込みました。これで長さはピッタリ80mmになったので結果オーライ。
試聴
音が鳴り出してすぐ、低域の量感が増えた事を感じました。また特定の音域で出ていた、ダンボールを叩いた様な嫌な音が無くなりました。そりゃそうだ。
ダンボールBOXは音圧により膨らんだり縮んだり、それ自体がスピーカーの様な動きをしていたと思います。それが無くなりスピーカーの背圧が正しくバスレフポートにかかっているのでしょう。また、ポートを50mm→80mmに延長した為、Spedで見てもダクト共振周波数が下がっています。
あとは自分が良く書いてるのが「チェロの響胴の響きが聴こえるか」。ダンボールBOXでは全然でしたが、今回はかなり出るようになりました。もっと太く、豊かになって欲しいとは思いますが「4,000円でこれなら全然いい。」というレベルには達しています。
低域のみならず中~高域についても全体的に良くなりました(漠然としたコメント)。スネアをブラシで叩くサラサラという音が前より聞き取れたり、女性Vo.がディスプレイの裏の方で歌っていたのが、画面の前で歌っている様に聴こえたり。
低音という土台がしっかりするとその上も綺麗に積み上がるって事でしょうか。
Stereo8月号を入手した日からあれこれ弄って遊んできましたが、付録は最後にちゃんと「使える」スピーカーになりました。しばらくはPC用メインスピーカーとして使っていけそうです。あとは見た目イマイチなのでカッティングシートで包んでみたり、ローカットコンデンサを変えて楽しむのもいいかもしれません。
秋葉原の海神無線に行きたいなぁ。
2014/08/17 追記。
バスレフポートが効いて低音が増強されたため、中~高域を抑えるつもりでつけた330mHのコイルを取り外しました。これでネットワークはツィータを正相で付けた意外雑誌記事の通り。友人から借りているMarkAudio CHR70を専用ボックスに入れたスピーカーと聴き比べた際、PW80の中域にあまりにも力が無い事に気づき、取り外したら断然良かったという。
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