先のウルトラワイドディスプレイ購入からはや半年、いよいよビデオカード入れ替えを考えています。予算は微妙なことに高級GTX1070と最安GTX1080のちょうど中間くらい。
ここをケチってGTX1070にするのは一見愚策とも思えますが、背伸びしてチップだけワンランク上げた結果、安いクーラーの音と性能に悩まされる、なんてことも考えられます。もしかするとGTX1070にして浮いたお金でPlextor M8Pe(G)買ったほうがトータルでアリなんじゃないか?とかね。
そんなパターンも検討するため、代表的メーカーの「高級GTX1070と最安GTX1080」という不思議な条件で各社製品を比較します。なお地方在住なのとAmazonで購入予定なので対象は取り扱い製品のみです。
追記:グラボ買いました!
色々迷った末、ZOTACのGTX1080を買いました。こちらの記事もお楽しみ下さい。
圧倒的性能と静かさを両立。ゲーマーにイチオシのグラフィックボード”GeForce GTX1080″にチェンジ | 徒労日記
ZOTAC
ZOTACは創業してまだ10年位の香港の若いブランド。
GTX1080:ZT-P10800C-10P
ZOTAC GeForce® GTX 1080 AMP Edition | ZOTAC
コアクロック | ベース: 1683 MHz /ブースト:1822 MHz |
メモリクロック | 10GHz |
カード長(mm) | 300 |
消費電力(W) | 230 |
GTX1070:ZT-P10700B-10P
ZOTAC GeForce® GTX 1070 AMP Extreme | ZOTAC
コアクロック | ベース: 1632 MHz /ブースト:1835 MHz |
メモリクロック | 8208MHz |
カード長(mm) | 未掲載(2.5スロット占有) |
消費電力(W) | – |
玄人志向
クロシコです。型番末尾のがOC2とOCがあるのですが、OCの方が高クロック版。 GTX1070は値段が逆転しており、低クロックのOC2の方が高値です。
GTX1080:GF-GTX1080-E8GB/OC/DF
玄人志向 | GF-GTX1080-E8GB/OC/DF:NVIDIA GEFORCE GTX 1080搭載 PCI-Express グラフィックボード
コアクロック | ベース: 1657 MHz /ブースト:1797 MHz |
メモリクロック | 10010MHz |
カード長(mm) | 282 |
消費電力(W) | – |
GTX1070:GF-GTX1070-E8GB/OC/DF
玄人志向 | GF-GTX1070-E8GB/OC/DF:NVIDIA GEFORCE GTX 1070搭載 PCI-Express グラフィックボード
コアクロック | ベース: 1594 MHz/ブースト:1784 MHz |
メモリクロック | 8008MHz |
カード長(mm) | 282 |
消費電力(W) | – |
MSI
MSIはクロックの高いゲーミングモデルとしてXとさらに高クロック版のZの2ラインで展開。
GTX1080:GAMING X 8G
コアクロック | ブーストクロック / ベースクロック / メモリクロック 1847 MHz / 1708 MHz / 10108 MHz (OCモード) 1822 MHz / 1683 MHz / 10010 MHz (ゲーミングモード) 1733 MHz / 1607 MHz / 10010 MHz (サイレントモード) |
メモリクロック | 10108MHz(OCモード) 10010MHz(その他モード) |
カード長(mm) | 279 |
消費電力(W) | 180 |
GTX1070:GAMING Z 8G
コアクロック | ブーストクロック / ベースクロック / メモリクロック 1860 MHz / 1657 MHz / 8108 MHz (OCモード) 1835 MHz / 1632 MHz / 8108 MHz (ゲーミングモード) 1683 MHz / 1506 MHz / 8010 MHz (サイレントモード) |
メモリクロック | 8108MHz(OC/ゲーミングモード) 8010MHz(サイレントモード) |
カード長(mm) | 279 |
消費電力(W) | 150 |
Gigabyte
GTX1080、GTX1070でそれぞれ7種類ものラインナップ。
GTX1080:GV-N1080G1 GAMING-8GD
コアクロック | ブースト:1860MHz / ベース:1721MHz(OCモード) ブースト:1835MHz / ベース:1695MHz(Gamingモード) |
メモリクロック | 10010MHz |
カード長(mm) | 280 |
消費電力(W) | – |
GTX1070:GV-N1070XTREME-8GD
コアクロック | ブースト:1898MHz / ベース:1695MHz(OCモード) ブースト:1873MHz / ベース:1670MHz(Gamingモード) |
メモリクロック | 8316MHz(OCモード) 8166MHz(Gamingモード) |
カード長(mm) | 287(3スロット占有) |
消費電力(W) | – |
Asus
Asusの型番は8G→A8G→O8Gとクロックが上昇していきます。
GTX1080:STRIX-GTX1080-8G-GAMING
コアクロック | ベース: 1607 MHz/ブースト:1771 MHz |
メモリクロック | 10010MHz |
カード長(mm) | 298 |
消費電力(W) | – |
GTX1070:STRIX-GTX1070-O8G-GAMING
ROG STRIX-GTX1070-O8G-GAMING | R.O.G.シリーズ | ASUS 日本
コアクロック | ベース: 1632 MHz/ブースト:1860 MHz |
メモリクロック | 8008MHz |
カード長(mm) | 298 |
消費電力(W) | 225 |
各社の比較とポイント
GTX10製品の特色
多くのメーカーがリファレンスデザインのFoundersEditionを最上位価格帯に掲げているため(確かNVIDIAの指導)、オリジナルの3ファン(或いは2ファン)を採用したオリジナル商品が最安価格帯に入ってくるのはコレまでには無い面白いところ。今迄みたいに最安=リファレンスデザインじゃないんです。
ただ玄人志向やAsusなどは1080にて伝統的な?ブロアファンを使った更に安いモデルを出しています。性能も其れなりの模様で、秋葉原の「1080史上最安!」みたいな話にしか出てこないので今回の比較からは外しました。
各社まとめて一覧してみると、クーラーによって大きく2グループにわけられます。一つは全機種で同じファンを使うAsus,MSI,玄人志向。もう一つは2→3ファンあるいは2スロット→3スロットファンで差別化するZOTAC,Gigabyte。このあたりも各社のランクづけとして見えてきます。
GTX1080
クロックは各メーカーとも平常時とOC時を分けて書いているのでバラバラ。その中で平常時に一番高いのがGigaabyte。ZOTACも次いで高いですが、2ファンでどこまで静かに冷やせるのかは気になるところ。Asusがどちらの項目も一番低いのは、クロック差だけでさらに上位に二機種を設定しているラインアップのせいでしょう。
メーカー公式OCコアクロック(MHz) | ベースクロック(MHz) | |
ZOTAC AMP Edition | 1822 | 1683 |
玄人志向 E8GB/OC/DF | 1797 | 1657 |
MSI GAMING X 8G | 1847 | 1607 |
Gigabyte G1 Gaming | 1860 | 1695 |
ASUS ROG STRIX 8G | 1771 | 1607 |
2ファンが悪では有りませんが各社最上位機種に3ファンを採用している以上、スタンダードモデルでも装着しているAsus,Gigabyteは高ポイント。占有スロットは全て2スロットです。
全長は全て30cm以下。MicroATXケース以上の大きさがあればまず搭載可能で、Mini-ITXケースについても大型グラボをサポートするボックス型なら大抵セーフのサイズ。
ファンの数に違いはあれ、各社とも低温(<60℃前後)時は回転を止めて静穏化する機能を持つほか、ツールによりクーラー周辺のLEDを好きな色に発光させるギミックを持ちます。今のトレンドですしね。温度やファンの回転を発光で知らせるパターンもあり。
なお玄人志向だけはこれまで書いたファンコントロールやLEDについての記載は一切無く、OCしたというクロックも凡庸。これで価格面のトピックがなければ厳しい商品です。
GTX1070
基本的には各社上位の1080の特徴を引き継ぎチップのみを変えた製品がほとんど。ただし1070のトップを競うOCモデルになるのでクロックで差がでています。
メーカー公式OCコアクロック(MHz) | ベースクロック(MHz) | |
ZOTAC AMP Extreme | 1835 | 1632 |
玄人志向 E8GB/OC/DF | 1784 | 1594 |
MSI GAMING Z 8G | 1860 | 1506 |
Gigabyte Xtreme Gaming | 1898 | 1670 |
ASUS ROG STRIX O8G | 1860 | 1632 |
最安1080では廉価版だったZOTAC、Gigabyte共に3スロット占有の巨大3ファンクーラーへ。特にGigabyteは通常より大きな100mmファンを搭載し、OC時のコアクロックは5社中最高値。なお1080と同じ2スロットクーラーのモデルもあり。
3スロット+隣接に空きがあるATXケースならこれらを選べば、1080より静かなハイパワーゲーミングマシンを作れる(ハズ)。
玄人志向はブレません。
あとがき
冒頭に書いたとおり、頑張って1080にしたところでファンが五月蠅いのはもっとも避けたい商品です。でも3ファンモデルに手が届くならば一定の静穏性能は期待できそう。そうして考えるとコスパが良いGigabyteと価格変動によっては入ってきそうなのはAsusという感じです。書き終えてすっかり1070で我慢する気は無くなってる…。
Asusの3ファンモデルは以前から静かさに定評があるし、トップモデルでも同じクーラーを使っているというのはクーラー自体の信頼性が伺えます。ただし上に遠慮?してコアクロックが低めなのをどう見るか。これも静けさの秘訣かもしれませんが。
最大の性能差とも言える価格ですが、GTX10製品を長くチェックしていると一万円単位で価格の変動が起きています。下がるばかりではなく。このページのAmazon価格はplug-inで都度更新されるため、いつ最安がひっくり返っているかもわかりません。注文の際はPriceTrackerなどで傾向を見定めることも必要でしょう。