まとめた後、初めてウルトラワイドの価格を比較してみると思った以上に高い・・・。今や陳腐化した24インチワイドとは異なり、長期的な利用ができる製品を慎重に選ぶ必要がありそうです。
そんなウルトラワイドディスプレイを比較した前の記事はこちら。
今回は「4K UHD」ディスプレイをピックアップし購入検討をしようと思います。
4K UHD
DELL UP3216Q
色再現性重視のデジタルハイエンドシリーズ32ウルトラHD 4Kモニタ | UP3216Q。
パネル | 31.5inch IPS 16:9 4K UHD |
コントラスト | 1,000;1 |
輝度 | 300 cd/m2 |
応答時間 | 6ミリ秒(高速モード) GTG |
表示領域サイズ | 273,996平方mm →約698mm x 392mm(算出) |
消費電力 | 70 W(標準)、93.4 W(Energy Star) |
Adobe RGB(99.5 %)、sRGB(100 %)、REC709(100 %)、DCI-P3(87 %)というカバー率を実現し、正確な色再現が可能というプロフェッショナル向けディスプレイ。
BenQ BL3201PT
ピボットにも対応するスタンドの自由度が高いBL3201PT | BenQ Japan。
パネル | 32inch IPS 16:9 4K UHD |
コントラスト | 1,000;1 |
輝度 | 350 cd/m2 |
応答時間 | 12ms (GTG 4ms) |
表示領域サイズ | 708.40mm x 398.50mm |
消費電力 | 56W(標準)、120W(最大) |
色再現についてはsRGB(100 %)のみを謳っていますが、フリッカーフリーバックライトの採用やCADに向いた10ステップの輝度調節機能が特徴。個人的には離席したら自動的に待機状態になって消費電力を抑えてくれる人感センサーに惹かれました。
EIZO CG318-4K
最上位機種ではないもののそれでも予算オーバー気味なFlexScan EV3237 | EIZO株式会社。
パネル | 31.5inch IPS 16:9 4K UHD |
コントラスト | 1,000;1 |
輝度 | 300 cd/m2 |
応答時間 | 5 ms(GTG) |
表示領域サイズ | 696.9×392.0 mm |
消費電力 | 30 W(標準)、105 W (最大) |
多彩なPbPやPinP機能をもつスタンダートラインの32インチ4Kディスプレイ。5年間保証や自動調光機能による消費電力削減など長く使える機能を備えます。標準消費電力が30Wと現在の24,27インチワイド製品と同程度なのもポイント。日本製らしくスペックには現れない見やすさ、目への負担軽減をしてくれる7つのエルゴノミクス機能も備えます。
ASUS PA328Q
Asusのクリエイター向けプロフェッショナルモデルPA328Q | ASUS
パネル | 32inch IPS 4K UHD |
コントラスト | 1000:1 |
輝度 | 350 cd/m2 |
応答時間 | GTG 6ms |
表示領域サイズ | パネル対角81.28cm →約708mm x 398mm(算出) |
消費電力 | 最大138.3W |
商品ページは見やすいものの、sRGB (100% Coverage)、EyeCare機能以外は目立った機能はなさそうです。問題は138Wという消費電力。おそらく最大値だとは思いますがそれでも高め。もしかすると変わらず蛍光管バックライト?
LG 31MU97-B
ウルトラワイド推しのLGにとって唯一の16:9ディスプレイLG 31MU97-B | LGエレクトロニクス・ジャパン
パネル | 31inch IPS 16:10 Digital Cinema 4K(4096×2160) |
コントラスト | 1000:1 |
輝度 | 320 cd/m2 |
応答時間 | GTG 5ms |
表示領域サイズ | 697mm × 367mm |
消費電力 | 通常使用時49W |
面白いことにDigital Cinema 4Kという他社より横解像度が256px大きい4096×2160のパネルを使用しています。それでいて消費電力は通常49Wに押さえてあるのはなかなか魅力的。その解像度のせいもあって使用グラボにある程度の制限があります。
AdobeR RGB色域を99.5%、DCI-P3のカバー率97%、最大4画面のPbPもあり。グラボがクリアしているなら静止画・クリエイター用途して魅力的な製品です。
我慢か4Kかウルトラワイドか
以上、一先ず2016年春の大画面ディスプレイを並べてみました(フィリップスなど一部割愛)。
一番の希望である「今より大きい画面を」ですが、素直に表示領域サイズを書いてくれてるメーカーもあれば、「インチ」の元となる対角線の長さだけ書いているもの、公開すらしていないメーカーと様々です(そもそも同一メーカー内でも製品によって公開しているスペックシートが違うのは何なのか)。
インチサイズから計算する場合、対角線cに対する鋭角側の角度θは21:9の場合は23.2°、16:9では29.3°となります。あとは横幅a=c cosθ、高さb=c sinθなので21:9対角864mmのX34bmiphzの場合は横幅794mm,高さ340mm、Z35bmiphzでは横幅817mm,高さ350mmと算出できます(自戒を込めてメモ)。昔から言われているとおり、使用しているパネルのサイズなのかフレームを含めた実測なのかまで書いてくれていない為参考程度です。
結果としてDELL 3008WFP(641.28mm x 400.8mm)から比べるとたとえ35インチウルトラワイドであっても、高さに関して5cmも小さくなってしまう事が分かりました。1600pxになれた所から1080pxに戻るのは論外ですが、1440pxを選んだとしても6cm小さくなって160px減る。この事を許容できるものなのかどうか・・・。
4K UHDの製品であれば、16:9であっても概ね392mm以上のため高さは同格。横幅5cm分の純粋なサイズアップが果たせます。しかし画素は約2倍に増えグラボの負荷も増大、リフレッシュレートは60MHzのままであるため、解像度よりフレームレートが重要なゲーム環境としては悪化するとも言えます。
結局自分はなにをしたいのか。「4K」というステータスがほしいのか、ワイド画面による新感覚のゲーミング環境が欲しいのか。自問自答するしかありませんねコレ・・・。
次期ディスプレイパネルの話
2016/04/09 追記
情報を探していると以下の記事が。
The main panel of note from LG.Display is the forthcoming LM375UW1 panels. This is 37.5″ in size and will offer an unusual 3840 x 1600 resolution, giving it a perfect 2:4:1 aspect ratio.
これによるとLGは2016年の秋にかけて、3840×1600の37.5inchパネルを生産するとの事。またサムソンは同じく2016年秋にむけて2560 x 1440の144MHz駆動可能(DP1.3前提?)な31.5inchパネルを出荷予定。
気になるのはやはり今回のウルトラワイド液晶の上位となる37.5inch。解像度比率から計算すると2.4:1(2:4:1はTypo?)なので、対角37.5inch(952.5mm)から計算すると横879mm x 縦366mmになります。今の35inchウルトラワイド液晶よりも一回り大きく、さらに横長になったディスプレイが出そうです。ただしFullHDから比較した画素数は2.96倍と4K UHDの4倍に迫るため、かなりグラの強化が必要となるでしょう。
これを使った製品が廉価になるまでにはもう1年くらい待つ必要がありそうです。待てるか?待てないよなぁ・・・と。