ハルシオン・ランチ

ハルシオン・ランチ

最近読んだ漫画。月刊アフタヌーンで連載された「無限の住人」が有名な沙村広明(敬称略)のコミック。嘔吐する女性でも美しく書かれたSFコメディ作品。

無限の住人はちょっと不思議な世界の入った、任侠というか時代劇格闘風のシリアスな作品でした。一つの絵画の様に芸術的に書かれた人斬りシーンはアフタヌーンのシグルイみたいな(最初の方だけど)。

一方ハルシオン・ランチは会社をつぶし無職となった40歳の男、化野 元(あだしの げん)の元に少女の姿で出現した何でも食べる宇宙人、ヒヨスとその他不思議な人々が織りなすギャグマンガです。今までシリアスというイメージが強かっただけに、この絵柄で逆をやられるとかなり笑ってしまいます。

繊細で美術(実際に美術大の出らしい)の様なタッチで描かれる人物と、ネタのオブジェがリアル&シュール。この宇宙人は食べたものを吐き出す(嘔吐)→あるものを生成する事ができるんですが、そのシーンまで美しい。かつてこれほど嘔吐シーンを美しく、しかも何度も描いた作品があったであろうか。

 いや、このシーンは別に美しくないけど。メインはヒヨスです。

台詞外に書いてある言葉が、時節ネタだったりネットネタだったりとてもなじみやすいw また、STEINS;GATE(シュタインズゲート)みたいに細かく散りばめられた科学ネタとかがあるのも、また自分のツボにはまりました。「超ひも理論」が「超ヒモ(女衒の)理論」とかとかけてあったり。方向としては同じアフタヌーンの岸和田博士の科学的愛情と似ているかも。あれもシュールで時々グロいし。

2巻と短編なのが惜しい。続編が是非読みたい作品です。

4063106365ハルシオン・ランチ 1 (アフタヌーンKC)
沙村 広明
講談社 2010-03-05
by G-Tools
4063107736ハルシオン・ランチ(2) <完> (アフタヌーンKC)
沙村 広明
講談社 2011-09-07
by G-Tools

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