思ってたのと違う。Raspberry Pi 2期待のWindows10を実際にインストール

思ってたのと違う。Raspberry Pi 2期待のWindows10を実際にインストール

先日Windows10の全バージョンが公開になりました。。

ポイントは

  1. Windows10は従来と同じHomeとProfessionalの二本立てがメイン
  2. 今後Windows10以降はバージョンアップごとに新OSとして発売する事はしない
  3. 1年間は既存のWin7/8から無料でアップグレードが行える

従来通りHomeを基本として管理やリモートなどの機能を付加したものがProfessionalとなり、WIn7/8からのバージョンアップの際はそのグレードを引き継ぐ様です。

コブ付きならぬCore付き

自分がいちばん気にしていたRaspberry Pi用のWindows10は「Windows 10 IoT Core」として発表されました。名前を見た瞬間えっ、と思ったのがCoreという文字。既存のWindowsにおいてCoreという文字がついた製品はこんな動作画面。

Windows Server 2008 R2テクノロジ入門 – Server Coreとは:ITpro

Server Coreのサーバーにログオンすると、図10のようなデスクトップが表示される。単色の背景に、1つのコマンドプロンプトと Microsoft IMEの言語バーが存在するだけの簡単なデスクトップである。

こんなん嫌だ。
これならWindowsである必要がない。

果たしてRaspberry Pi 2に向けて用意されるというWindows 10 IoT Coreとはどんなものなのか。

Windows 10 IoT Core Insider Preview

すでに発表早々Raspberry Pi 2に実際にWindows 10 IoT Core Insider Previewをインストールされた方がいらっしゃいます。参考にさせてもらいながらインストールしてみました。

自分のMicrosoftアカウントを使ってMicrosoft Connectへ登録。その中でアンケートへの回答(EULAへの同意)を済ませるとWindows Embedded Pre-Release Programsから2015/05/12版 “Windows 10 IoT Core Insider Preview Image for Raspberry Pi 2“がダウンロードできました(約480MB)。

イメージのSDカードへの書き込みは、Windows10環境でDISMコマンドを使用します。WinPEのイメージ展開にいつも使ってるツールです。

最初は横着して持ってたWin10 Technical PreviewのVMで作業したところ

C:\>dism.exe /Apply-Image /ImageFile:flash.ffu /ApplyDrive:\\.\PhysicalDrive2 /SkipPlatformCheck

展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.9926.0

エラー: 87

/applydrive オプションはこのコンテキストでは認識されません。
詳細については、ヘルプを参照してください。

DISM ログ ファイルは C:\Windows\Logs\DISM\dism.log にあります

と言われてエラー。SDカードの認識とかいろいろ変更してもダメ。結局最新のWindows 10 Insider PreviewでVMを作りなおしたところうまく行きました。DISMのバージョンが違うため、最新のWindows10を使う必要ありという事です。

あとはSDカードをRaspberry Pi 2へ挿して電源を入れると、しばらく画面が遷移します。

20150518-01そして起動完了したのがこの画面。

20150518-02これがWindows 10 IoT Core Insider Previewのメイン画面です。何も操作できません。

Powerアイコンやギアマークがあるので、マウスやキーボードを挿してみたものの反応なし。2.1AのUSB ACアダプタを使ってもダメでした。Ralink rt2800を使った無線LANアダプタも動作せず。

この状態にVisual Studioなどでアクセスすれば、Phone Deviceの開発の様にソースコード実行、デバッグなどができるようです。でも自分はそっと閉じました。

違う。こうじゃない。

提供側の思惑、IoT業界の思惑はあるとは思いますが、自分が「Raspberry Piで動くWindows」に期待するのはいつもどおりのGUIが動くいつもどおりのWindowsです。
たとえ非力でストレスフルであろうと、使い慣れたWindowsがこの小型デバイスで動けばそれだけで価値があります。もっともXubuntsuを触る限り、Web見てストリーミング見て音楽聞くくらいだったらRaspberry Pi 2のパワーがあれば問題ありません。

また利用者からすれば、組み込み用途において非常に多くのプラットフォームやサンプルを持つLinux環境から移るメリットが見当たりません。Microsoftとして「大中小すべてのデバイスでWindowsが動く」という目的の為にEmbedded市場も無視できないとは思いますが、Linuxと同じ事しても選択肢には上がらないかなぁ。

ここからWindows Phoneの様なGUIを実装したりもできるでしょうが、すでに”Insider Preview”とついている以上、しばらくは大きく変わらなさそうです。想定のInputに対して想定のOutputをするような役割はインテル® Edisonなどに与えて、汎用的なインターフェイスを多く持つRaspberry Piの特性をもうちょっと加味してもらえると嬉しい。一個人の願いです。

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